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平成24年 (2012年) 1月 16日

教育ちょっといい話 第123回

山口市立興進小学校 校長  里原 敏生

私の教育信条『みんな美しい、負けずに咲こう』

私が『みんな美しい、負けずに咲こう』という言葉に出会ったのは、教職に就いて4年目の光市のM小学校でのことです。出会った瞬間に心の奥深くに入り込んだのです。というのも、私は、小さい時から人見知りがひどく、幼稚園も、池に落ちたこともあり2か月くらいでやめました。小学校に入学した頃は字を読んだり書いたりすることもほとんどできず、勉強も苦手でした。兄弟も多く、先生からは、兄と比べられ「もっと勉強しなきゃだめじゃない。」などと言われていました。

「なんだかつまらないなあ。」という思いで、小学校に通っていた小学校3年生の時、大好きなおばあちゃんから、「としお。元気がないのう。勉強が苦手で、学校に行くのもおもしろくないのかのう。でものう、あんたは兄弟の中で一番優しい子だと思っているよ……。」と言われました。自分は何をやってもだめで、取り柄がないという思いで過ごしていました。でも、「自分にもいいところがあるのか。」そう考えると嬉しく、自信をもらいました。

少しずつ自分の気持ちが変わっていくのが分かりました。勉強にも少しずつ興味が湧きました。小学校6年生の時には、手先の器用さを生かし、絵や工作を頑張り、通知表の5段階で4をもらいました。他の教科は2と3ばかりでした。でも、勉強して分かることの楽しさを学びました……。

自信をなくしていた自分も、頑張り続ければ何とかなるんだ。こうした過去の自分の姿と『みんな美しい、負けずに咲こう』という言葉が見事につながったのです。それから教職30年以上、常にこの『みんな美しい、負けずに咲こう』という言葉を胸に、一人でも多く、自分のよさに気付き、自己肯定感を高め、自信をもって成長してくれることを願い児童と向き合っています。

(平成23年7月投稿)

 

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