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平成24年 (2012年) 3月 5日

教育ちょっといい話 第126回

山口県立岩国商業高等学校 校長  河本  太

タレントとカリスマ

去る4月21日、女優の田中好子さんが亡くなりました。田中さんといえば、往年のアイドル歌手キャンディーズのスーちゃん。私をはじめ昔の若者には思い出深いタレントです。差し詰め今のAKB……みたいな、いやそれ以上の人気だったかもしれません。

その2日後の4月23日、ソニーの最高経営責任者、実業家でもあり声楽家、指揮者でもあった大賀典雄さんも亡くなりました。ともに優しさと品性のあるタレントでした。ご冥福をお祈りします。

さて、タレント。よく使う外来語ですが、意味はとなるとあまり知りません。雰囲気で使いがちです。国語辞典によると、「タレント(talent):テレビやラジオに出演して人気のある俳優・歌手・アナウンサー・大学教授・文化人など。」とあります。差し詰め、「才能、あるいは多才な人。」とでも捉えたらいいでしょうか。

ところが本来、タレントの語源は、古代のギリシャやヘブライ(イスラエル)で用いられた貨幣単位tarant(タラント)からきているといいます。紀元1世紀頃では1タラントは6000日分の賃金といいますから、仮に日給5000円としても3000万円相当になり、結構大金でした。才能って結構高価なものなのですね。

同じく最近よく使われる言葉に、カリスマ美容師とかカリスマシェフなんていうのもありますが、このカリスマ(charisma)も本来の意味は、「神に賜った才能。」という意味らしいのです。

そこで皆さん、皆さんも自分のタラントや授かったカリスマをたくさん持っていると思いますが、それを何のために、そして、十分に使っているかが問題ではないでしょうか。

いよいよ連休に入りますが、新入生も学校に慣れ、入学時に目指した目標がちょっと霞んできた人がいるかもしれません。上級生も春の県体をはじめ検定やコンクール、あきらめたりスランプで悩んだりしていませんか。

始業式で夢の実現について話をしましたが、どうか、今この時、もう一度自分に問い直し、自分の才能の大きさとその可能性を確認してみてください。そして、自分にもって与えられたタラントを、カリスマを、惜しみなく使ってみてください。自分で思うほどあなたの才能は少額ではなく高額だと思いますよ。

自分のタラントは全て使って「足らんと」なるほどに、カリスマは浪費して「仮り住ま」いさせないように十分に用いてください。

自分のために、そして友人や周囲の人々のために。(平成23年4月25日 校長講話)

 

(平成23年8月投稿)

 

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