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平成24年 (2012年) 10月 12日

教育ちょっといい話 第129回

公益財団法人山口県ひとづくり財団 常務理事兼県民学習部長 沖浦 初孝

森は海の恋人

昨年の12月中旬、東京ビッグサイトで開かれたエコプロダクツ2011に参加した。各企業、大学等が、地球に優しい環境づくりのために研究開発したエコ製品を出展している日本最大級の環境展示会である。

中でも気仙沼湾で牡蠣とホタテの養殖業を営んでいるある漁師の話に思い当たるものがあった。彼は、20年ぐらい前から、「森は海の恋人」ということを提唱し、山に木を植える運動を続けている。

漁師が大漁を願うとき山に木を植える。木の葉が落ち腐って腐葉土になり、そのときフルボ酸ができる。雨が降るとこのフルボ酸が腐葉土の下の鉄を溶かし地下水になる。フルボ酸は鉄とくっついてフルボ酸鉄になる。これが川から海に運ばれ、植物プランクトンや海藻に吸収され豊かな漁場になるという。魚礁を沈めたり海をきれいにするという方法も一つではあるが、大元は山に木を植え森にすることだという。

このことは教育現場に置き換えて見ても同じことではと思った。何が起こるか、また、何が起こっても不思議ではないと言われている昨今である。起こったことへの対処療法的な対応は即効性があるかも知れないが、何がどうしてなのか、根源をしっかりと議論し対応していくことも必要ではなかろうか。(平成24年1月3日)

(平成24年1月投稿)

 

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