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平成25年 (2013年) 9月 27日

教育ちょっといい話 第133回

美祢市立東厚小学校 校長 中村 隆宣

学校のチカラ

本校は、美祢市の南端の小さくて静かな山村地区にあります。

「昔は、ここも石炭が採れて、汽車で町に持って行って売ってたんよ。」

地域のお年寄りが、懐かしそうに山を見ながら子どもたちに話してくれました。ご存じのように、美祢市は、無煙炭という国内でも数少ない良質の石炭を産出する石炭の町でした。

ところが、本校の子どもたちは石炭自体を見たこともなく、主要なエネルギーとして使われていたことも資料の中のお話でしかありませんでした。そこで、本物を見て実感のある学習をさせたいと、「美祢の石炭を使ってミニSLを走らせよう!」というプロジェクトを立ち上げました。地域の方々も、参加の呼びかけやレールの設置等、準備に多大なご協力をいただき、当日は報道の方々もたくさんいらっしゃってとても賑わいました。

子どもたちが喜んだことはもちろんですが、「また、ここで汽笛の音が聞けるとは……。」汽車に乗車され、感慨深げに言葉を詰まらせるお年寄り。テレビ局のインタビューに応じる姿を離れたところに住むご家族がテレビで見られ、再び親交が深まったことを喜んで、笑顔で自作の果物をお礼に持って来られた方。地区のふるさと祭りでは、「汽車を、走らせてくれてありがとう。」と私に何度も頭を下げられる方には恐縮しました。

いつも地域にお世話になるばかりの学校ですが、地域の方々と一緒にしたことがこれほど地域に響き、再び地域を見直し、絆を深める一助となったことをとても嬉しく思います。「地域における学校への愛着の大きさ」を再認識しました。「こちらこそ、ありがとうございました!」と心から思っています。

(平成25年8月投稿)

 

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