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平成28年 (2016年) 10月 12日

教育ちょっといい話 第168回

山口市立白石小学校 校長 澄川 忠男 

「恩返し」

今年、教職経験三十一年目を迎える。新規採用時代から様々な方のお世話になって、今の私があると思っている。

新規採用から三年にわたり、学校の仕事は、見て覚えるだけでなく、自分から進んで一緒にやって覚えることを教わった先輩。この先輩には公私ともにお世話になった。

二校目の大規模校で体育主任をしていたときに、どうしたらよいかわからず悩んでいた私に「命までは取らりゃーせん。(から、何も心配せずに思い切ってやれ)」と声をかけてくださった教務主任の先生。落ち込んだときに、温かいコーヒーと会話で、心を解きほぐしてくださった購買部のおばちゃん。

今まで勤務した学校や仕事の場面で、いつも周りの方々に助けていただいていることを、年を経るごとに実感している。そのたびに恩返しをしなくてはと思っていた。同時に、その人にどうやって恩返しをしたらいいのかがわからなかった。

そんなとき、教頭として二年間大学院で学ぶ機会をいただき、そこで出会った先生が私に話してくれた一言が私のやるべきことを教えてくれた。

「恩返しは、おまえが何かしてもらったその人に対してするんじゃあない。その人にしてもらってありがたいと思ったことは、その人に返すんじゃあなくて、違う人に対しておまえがするんだ。それが恩返しなんだ。」

この言葉は、心にスーッと入ってきた。それ以来、常に意識している。後輩にも同じように話すようにしている。

『恩返し』を、時代を超えてつなげていけるような世の中になってほしいと願って、学校で子ども達や先生方と共にがんばりたいものである。

 

 

(平成28年9月投稿)

 

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