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平成28年 (2016年) 11月 1日

教育ちょっといい話 第169回

柳井市立柳井小学校 校長 大野 直子 

ニュージーランドとコミュニティ・スクール

平成15年10月、私を含め、山口県内の小・中・高・特別支援学校の教員からなる海外派遣研修団22名は、関西国際空港からニュージーランドに向けて旅立ちました。

私たちは、ニュージーランドの教育制度を視察することを研修目的とし、教育省やいくつかの小・中・高等学校を訪問しました。ニュージーランドでは教育委員会制度を廃止し、代わって地域代表を含む「学校理事会」が学校を運営する制度をとっていました。校長が自分で教職員を集め、予算を立て、その経営について学校理事会に諮り、例えば学校で新聞を取るかどうかさえ、予算の執行については理事会の承認を得る必要があるというその制度は、私たちの目に大変新鮮に映りました。

翌平成16年、日本で「コミュニティ・スクール」が制度化され、山口県では平成28年度春、すべての市町立小中学校がコミュニティ・スクールとなりました。ニュージーランドの制度と同じではありませんが、地域の方々が学校運営に参画されることは特別なことではなくなっています。

研修団に参加していた22名は、現在、学校職員として、行政職員として、あるいは退職し一人の地域住民として、それぞれの立場でコミュニティ・スクールの推進に関わっています。あるコミュニティ・スクールの研修会では、一つの分科会の司会者と記録者、指導者が3人とも研修団のメンバーで、その巡り合わせに思わず笑ってしまったこともありました。

私たちは今でも、年に一度集まって旧交を温めるのを楽しみにしています。そのときいつも、「あのころ、日本で今のようなコミュニティ・スクール制度が始まるとは思ってもいなかった」「あのときニュージーランドで実際に目にしたことが、その後に大きく役立っている」という話になります。そして、「できればまたニュージーランドに行きたい」という話で盛り上がるのです。このご縁をこれからも大切にしていきたいと思います。

 

(平成28年9月投稿)

 

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