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平成25年 (2013年) 10月 7日

教育ちょっといい話 第135回

山口県立徳山北高等学校 校長 鈴木 三郎

花は嘆かず

週末にジョギングを始めて5年になる。1週間に1度だけでは効果はなかなか見えないが、ここまで続くと止めるわけにいかなくなった。

当初は、自宅をスタート・ゴールにしていたが、一昨年から近くの寺をスタート・ゴールにしている。その理由は、寺の入り口付近にある小さな掲示板の「言葉」が気になり始めたからである。

今年4月の掲示板に、「咲くもよし、散るもよし、花は嘆かず今を生きる」という言葉が書いてあった。私を含め、人は何かあるとすぐに愚痴を言ったり、わがままを言ったりすることが多い。しかし花は、咲く時も散っていく時も、恨んだり悲しんだりせず、ありのままに生きている。

後に、この言葉は坂村真民(さかむら しんみん)氏の名言集の中にある、「咲くも無心、散るも無心、花は嘆かず今を生きる。」という言葉に似ていることが分かった。住職がそれを参考に作られた言葉ではないかと思われる。一目見てこれほど感動できる、そして自分を戒める言葉に出会ったのは久しぶりである。

寺をスタートし、約50分間走っている間、ずっとこの言葉を頭の中で繰り返し思い、ゴールした。いつも現状を嘆いている自分が愚かに思えた。生かされている自分に与えられた仕事を黙々とこなしていけばよいのだと思い返すと、元気と勇気がわいてきた。

週末のジョギングは、これからも続けていくつもりである。寺の掲示板の「言葉」との出会いにも期待を寄せて……。

(平成25年8月投稿)

 

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