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平成25年 (2013年) 10月 25日

教育ちょっといい話 第138回

防府市立松崎小学校 校長 西田   稔

世界水準

「私が勤務している職場にはプールがある。」と言うと、

「プールがあるなんてリッチな職場ねえ。」と返ってくる。

「学校だから」と言うと「そりゃそうだ。」で終わるが、これは、日本の話。

私は、以前ルーマニアの日本人学校に校長として赴任したことがあるが、ルーマニアの学校にはプールはなかった。水泳指導が教育課程になかったからだ。だから、ルーマニアの子どもたちは湖や川で勝手に泳いで、泳ぎの技を磨く。泳げない子も実に多かった(8年経った今では、変わっているかもしれないが……)。日本人学校にもプールがなかったので、私たちは、夏場にジムのプールを借りて水泳指導を行った。

日本の教育レベルは、世界的に見て、やはりトップレベルだ。国が定めた学習指導要領に基づいているから、教育課程もしっかりしているし、先生の指導技術も高い。現に、ルーマニア在住のアメリカンスクールやジャーマンスクール(ドイツ)、ブリティッシュスクール(イギリス)の教師が、日本人学校の授業を頻繁に観に来た。ルーマニア人や在住の外国人からの、日本人学校で勉強したいから入学を認めてほしいという要請も多かった。理由はすべて「日本の高度な教育を受けさせたい」ということだった。

余談になるが、私は山口(長州藩)出身の校長、教頭は福島(会津藩)出身だった。彼は、子どもの名前に容保、斉彬とつけるぐらいのばりばりの武士魂の持ち主だった。「長州と会津」、だが、そこは「至誠、誠の心」で思いが一致し、共に世界一の学校めざして力を合わせた。だからこそ、異国の地でも、「日本の学校ここにあり」で、外国人の入学希望者も多かったのか……なんて、いや、うぬぼれてはいけない。

日本の教育が外国に学ぶ点があったのも事実。外国語教育はその筆頭だ。ルーマニア人の語学力は非常に高い。日本は現在、小学校5年生から外国語の学習が始まるが、ルーマニアでは、小学校1年生から英語は必修、さらに第2外国語を選択して多くの子がフランス語かドイツ語を学ぶ。

日本には、今、まさに教育改革の波が押し寄せてきているが、これからも大事にすべきもの、また、新たに取り入れていくもの、それらを世界水準で考えていく必要があるだろう。

(平成25年9月投稿)

 

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