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平成25年 (2013年) 12月 4日

教育ちょっといい話 第141回

下関市立粟野小学校 校長 縄田   潔

粟野の「宝子」

本校区は、下関市の北部に位置し、長門市と隣接しています。校区の中央を流れる粟野川が、豊田方面から北流して油谷湾へ注ぎます。この粟野川によって肥沃な耕地が形成され、豊かな自然を現在まで育んできています。子どもたちは、この豊かな自然を活用しながら、地域の中で「宝」として大切に育てられてきたようです。そのことは、学校へ頻繁に出入りされる地域の方々のお話から自然にくみ取ることができますし、地域活動の随所に滲み出ています。また、校歌にも3番の最終行に、「よい子になるのだ宝子に」という歌詞が盛り込まれています。

先般、本校の校歌の作曲者である林伊佐緒先生の資料を手にする機会に恵まれました。林先生は、NHKの紅白歌合戦にも何度も出場された下関市出身の有名な方(歌手)でしたが、恥ずかしながら私は存じませんでした。資料を提供してくださった方に、早々に、そのことを正直に記載した内容を付して、資料のお礼の手紙を書きました。すると、関係者の方から子どもたちが校歌を歌っている姿をぜひ心に留めおきたいという申し出があり、承諾しました。

1学期の終業式に来校され、子どもたちと記念写真を撮ったり、校歌の直筆の譜面を見せていただいたりしました。その譜面には、校歌の構成を思案されたものが挟み込まれており、校歌が出来上がる過程が想像され、子どもたちにも貴重な体験となりました。この先、本校を卒業した後も、校歌を思い出すことで、故郷への自信と誇り、望郷の念に駆られることでしょう。

現在、子どもの数は減少の一途をたどっており、子どもたちは、本校区である粟野地域において、ますます貴重な「宝子」となりました。「宝子」を、地域と連携しながらのびのびとたくましく育てるという、その責任の重さを改めて感じました。

(平成25年9月投稿)

 

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