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平成28年 (2016年) 1月 18日

教育ちょっといい話 第161回

平生町立平生小学校 校長 金本 正之

ある秋の日の出来事

校長室の机の上に一通の手紙が置いてあった。差出人を見ると、校区内の住所で面識のない方の名前であった。校区内在住の方が校長に直接手紙を書くということは・・・。お叱りを受ける覚悟で開封した。

内容は、その方(Aさん)が、地元の八幡宮の秋の大祭に参拝しようとバイクを運転していたところ、途中、急な坂道で転倒してしまったそうである。すると、近くにいた小学生が駆け寄り「大丈夫ですか。」と声をかけ、さらに、バイクを起こすのを手伝ってくれたということである。そのとき、Aさんは急いでいたため、名前も聞かず別れてしまい深く後悔されたそうだ。小学生の勇気と思いやりのある行動に感激され、感謝の気持ちをどうにか伝えてほしいという思いで筆を執られたということであった。

このことを全教職員に伝えると、すぐに6年生の男子3人のことだと分かった。その児童を校長室に呼び、Aさんの思いを伝え、私からもお礼を述べた。3人の男の子は少し照れくさそうに、でもうれしそうに私の話を聞き、晴れ晴れとした表情をしていた。「今回のことを家の人に話しましたか。」と尋ねると、皆話したそうである。保護者の反応は、「いいことをしたね。」や「まあ、当たり前のことだね。」など様々であったが、一様にうれしそうにその様子を語ってくれた。

Aさんに返事の手紙を書いた数日後に、校区内の公民館まつりで、偶然、Aさんにお会いした。Aさんから直接そのときの状況をうかがい、その話をされる様子からAさんの感激がしっかり伝わり、私も喜びを共有することができた。

やさしさと勇気ある行動をした子どもたち、またそのことを伝えようと一生懸命手紙を書かれたAさん、両者に心からお礼を言いたい。「清々しい、よい気持ちにさせていただき、ありがとうございました。」と。

 

(平成27年12月投稿)

 

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