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平成22年 (2010年) 11月 12日

教育ちょっといい話 第100回

長門市立俵山中学校 校長 原田 隆

「よっ、日本一!」

 

観客の威勢のよいかけ声と大きな拍手が生徒たちを勇気づけます。

平成22年4月18日(日曜日)、俵山温泉祭2日目、毎年恒例となった「俵山子ども歌舞伎」の開演です。会場の公民館には開演前から観光客や入湯客、保護者や地域の方などたくさんの人がつめかけていました。

俵山と歌舞伎との関係は、江戸時代末期の俵山湯町の大火の復興に関連して始まり、その後、地元に定着したと言われています。一時衰滅しましたが昭和37年に地元の方が協力して歌舞伎芝居を復興し、昭和43年には「俵山女歌舞伎」として山口県無形文化財に指定されています。(長門市教育委員会発行の『長門市の文化財』から)

俵山女歌舞伎保存会の会長さんの話によると、最近では高齢化や後継者不足のため女歌舞伎が衰退してきたこともあり、「俵山の子どもたちに歌舞伎を」という地元の方の願いが強くなってきたとのことです。「子ども歌舞伎」立ち上げの直接のきっかけは平成18年の「第21回国民文化祭・やまぐち2006」の「地芝居の祭典」への出演でした。このときを契機に総合的な学習の時間に全校で練習に取り組み、俵山温泉祭や俵山地区文化産業祭など地域のいろいろな行事に出演しています。

この日は3年生の初舞台です。中学校へ入学してから見よう見まねで取り組んできた練習も4月当初からは本格的になりました。とは言え、初めての経験で緊張しっぱなしの3年生たち、落ち着かせてくれたのは何といっても観客の皆さんの温かい声援でした。「よっ、日本一!」、かけ声がかかる度に演技もますます熱を帯びてくるようでした。

終演後の3年生の充実感あふれる笑顔を見ながら、観客の皆さんやお世話いただいた方々への感謝の気持ちで一杯になりました。

豊かな自然に恵まれた俵山、人情味あふれる元気で温かい俵山。伝統文化を通して地域との「豊かなかかわり合い」づくりを進めています。(平成22年7月投稿)

 

 

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