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平成22年 (2010年) 12月 10日

教育ちょっといい話 第104回

美祢市立田代小学校 校長 村田 稔

田代繁盛太鼓

現在児童数6名の1級へき地校である田代小学校に赴任する際、「田代子ども繁盛太鼓はすばらしい。」「感動して涙が出ました。」と言われたが、他地域から転入した私には、その時は、何のことかわからなかった。

今では、田代と言えば繁盛太鼓と、合言葉になるぐらい美祢市では有名である。

実際その音色は、太鼓をたたいたことのない私にとっても劇的で感動に値するものであった。

この繁盛太鼓の経緯を聞いてみると、平成2年、今から20年前に全国へき地複式研究大会山口県会場の一つに田代小が選ばれたときに始まる。全国の先生方を迎えての研究発表会で、昼食時に田代ならではのアトラクションをしようということになったが、地域に伝統的な出し物がなかったため、当時美祢市にあった「美祢維新太鼓」をアレンジして田代繁盛太鼓が出来上がった。

しかし、児童・保護者・教職員全くの初心者であったため、当時維新太鼓の指導的立場にあった方に指導をしていただき、太鼓もバチもなく古タイヤや鍬の柄を切った保護者手作りの道具で週1〜2回、夜学校に集まり、練習を行ったそうである。

その後、市や地域からの援助があり太鼓や法被が整えられ、発表会当日は大変好評を得たそうである。その後、地域行事や音楽祭、県教育研究大会美祢大会や山口きらら博への出演等で地域の伝統として根付いた。過疎化が進み児童数が減少し、以前に比べると太鼓の迫力や音色は劣るかもしれないが、創設された当時の熱い思いや伝統は脈々と児童に受け継がれ、現在も生きている。

田代繁盛太鼓は、山口県教育の3つの基軸にもあるように、地域や伝統、文化に対する理解を深め、ふるさとへの誇りと愛着をもたせるものである。私は、この伝統ある田代繁盛太鼓を継承していきたいと考えている。(平成22年7月投稿) 

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