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平成22年 (2010年) 12月 17日

教育ちょっといい話 第105回

下関市立角倉小学校 校長 増野 淳一

教育実習の熱い思いを覚えていますか

本校に、この6月、養護教諭の教育実習生を迎えた。子どもとの交流がうれしくてたまらないという実習生の笑顔に、約30年前の自分の教育実習生の頃の熱い思いを思い出した。

当時の私は先生になりたくて仕方なかった。横浜の大学に在学していた私は、附属小学校での実習では本当の教育実習はできないと学生課に掛け合い、下宿地域の小学校で実習をさせていただいた。所属した学級の子どもたちとの交流がうれしくて、土日も鼓笛の練習や発表会に出かけて行った。

実習校の私の担当の先生とは、今でも賀状のやりとりが続いている。先生からは、「どんなことでもいいから1時間の授業の中に1回は、子どもたちが『ハッとする』ことを工夫するように」と教えて頂き、採用された後も常に意識してきた。

昨年秋、仕事の関係で横浜を訪れた際、急に思い立って教育実習を行った小学校を訪れた。30年の歳月はやはり長く、自分の記憶だけでは学校にはたどり着くことはできなかったが、校門を見たとたん、かつてのあの熱い思いが涙と共にこみ上げてきた。そして、大胆にも、学校近くの当時の担当の児童(今39歳)の家を訪れてみた。当然のことながら本人はいなかったが、母親と懐かしい話をすることができた。

私にとって教育実習は、先の教育実習生と同じように、教職への思いを確固たるものにしたとても大切な経験であった。いつの間にか、あの恋い焦がれていた熱い思いも薄れてきていた私であったが、教育実習の地を再び踏み、自分自身を奮い立たせることができた。

本年度から本校に校長として赴任し、立場はこれまでとは大きく変化したが、30年前に夢見た、子どもたちと一緒に過ごせる幸せを日々かみしめている。そして、その思いは、「楽しくてたまらない角倉小」の創造として、私の学校経営の基本となっている。

みなさんも、是非、教育実習を行った学校をもう一度訪れてみてください。きっと、今の自分を見つめ直す何かを得ることができると思います。(平成22年7月投稿)

 

 

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