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平成23年 (2011年) 1月 5日

教育ちょっといい話 第107回

防府市立小野小学校 校長 岡崎 聡

「着任の喜び」

柔らかな朝の日差しを受けて、もやがあたり一帯を薄く包み込み、山の稜線がうっすらと白く浮かび上がる。野鳥がさえずり、次第に、遠くから、こだまするかのような元気のいい子どもたちの挨拶が聞こえてくる。そんなすがすがしい朝の始まりを迎えて、本校に着任して以来、ほぼ2週間あまりたった日のことでした。

「校長先生、おはようございます。」と声を弾ませながら、朝一番、やってきたのは、生徒指導担当の教諭でした。そのあまりの嬉しそうな声と表情に、私もつい、表情が和らいできます。手には1通の地域の方からのお手紙。「ぜひ、読んでみてください。」と。喜びで小刻みに震える手から受け取った手紙文には、「すばらしい光景を目にしました」という書き出しで、本校の子どもたちの集団下校の様子が綴られていました。

文面には、「何か特別な事情でもあったのでしょうが、正規の道を外れそうになった上級生に対して、下級生がきちんと注意をした勇気。そして、上級生もそれをきちんと受け止め、素直に行動に移した優しさと判断の良さ。さらに、何よりも、いじめたり、いじめられたりの心配のない強い信頼関係で結ばれたつながりのよさ。」が綴られ、「それにも倍して、小野地区の子どもたちが安心して登校できる教育環境をつくりだしてくださっている先生方の御指導に心から敬意を表したい・・老人のつぶやきです。」と結ばれていました。

いつも温かな思いで子どもたちを見守り、よさを見出し育ててくださっている地域の方がいらっしゃることのありがたさと、日々、子どもたちのよりよき成長を願い、地域の期待に応えようと懸命に指導に励み、嬉嬉として働く教職員がいることの嬉しさが、柔らかな春の日差しのように、私の心をうららかに満たしてくれる出来事でした。(平成22年7月投稿)

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