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平成23年 (2011年) 1月 19日

教育ちょっといい話 第109回

下関市立角島小学校 校長 金子 明美

小さな国際交流

4月と7月に、イギリスからK君とアメリカからM君が現地の休みを利用して本校へ体験入学の希望があった。

2人とも祖父母は角島在住ということではあるが、生まれてから日本での生活経験がほとんどなく、同世代の1年生と2年生の学級で学習することになった。

事前に全校児童にそのことについての話をし、いよいよ当日を迎えることとなった。

今まで、登校はいつもお母さんと一緒のK君。子どもたちだけの集団登校は大丈夫かなと心配しながら待っていると、みんなと元気よく登校してきた。

1年生の教室では、「グッドモーニング!」、「ハロー!」・・4名の児童が笑顔で声をかけたり、お世話をしたり。特に張り切ったのは、H君。意気投合し、いつも一緒。

昼休みは、他の学年も一緒になって運動場でサッカーが始まる。K君も一緒になって走り回っている。高学年からのパスをもらって、K君のゴールが決まると大きな拍手が起こる。ランチルームでは、慣れないはしにやや悪戦苦闘の様子。まわりの児童がそっと手を差し伸べている。

ずっとスクールバス登校で、徒歩での登校は初めてのM君。みんなのペースについて行くことが難しい状況を察して、高学年の児童が、M君のそばについての登校を始めた。また、初めての掃除に戸惑うM君に仕方を教える2年生の児童。

学習だけでなく、K君とは、海岸清掃をしたり、M君とは、児童集会でみんなと一緒にゲームを楽しんだり、「海に親しむ会」で、満面笑顔で泳いだり、スイカ割りや宝探しを楽しんだりと多くの交流をすることができた。

こうして、それぞれ最終日を迎え、児童一人ひとりに、たくさんの思い出を残してお別れとなった。「See You Again K君!M君!」

異文化にふれ、戸惑いながらも健気に取り組むK君やM君の姿や、言葉や生活習慣が違ってコミュニケーションがとりにくいと思われる子どもたちの世界にあって相手を思いやり何とか理解しようとする子どもたちの姿や自然なやさしさがとても印象的であった。

後日、K君のおじいちゃんから、K君が角島小の校歌を口ずさんでいて、楽譜を送りたいので頂けないかという連絡があった。イギリスと日本、飛行機でも15時間弱かかる遠い距離にありながらも“角島小の校歌”が今後もK君と角島っ子の架け橋になることだろう。(平成22年8月投稿)

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