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平成23年 (2011年) 1月 26日

教育ちょっといい話 第110回

山口市立徳佐小学校 校長 田中 博文

「大自然の温もりの中で育つ子どもたち」

本校は、昨年秋に新築移転したのですが、材料となる木材のほとんどは地域の旧町有林を使った木造建築で、今でも木の香りが漂う新校舎です。多目的ホールは、2階までの吹き抜けで、天井を見上げると木の骨組みがしっかり校舎を支えている様子が見えます。

また、そこからは、北側の全面ガラス張りの窓を通して、校庭にある桜の木の向こうに遠くそびえる十種ケ峰の頂が、校舎や子どもたちをじっと見守ってくれています。木の板張りに座ると、夏は校舎を吹き抜ける北風が涼しく、冬はペレットストーブの床暖房で暖かなぬくもりを感じ、南側にある図書コーナーで借りた本をじっくり読むことができます。

この多目的ホールの西側には、地域の方が寄贈されたスタインウェイ製のピアノが優しく子どもたちを見守っています。寄贈された方は、長年ピアノの指導を続けられてきたのですが、高齢になられ「阿東の自然の美しさの中で、大好きな音楽と人間の魅力についてより深く考え、緑の山々、清らかな川の流れ、美味しいお米やリンゴ、牧場のソーセージやハムなどの味わいとともに静かな日々を送りたい」と移住してこられました。そして、長年愛用されたピアノを新築の本校に寄贈されたのでした。また、東京在住で外国でも活躍されている教え子のピアニストを迎えてのコンサートを企画され、子どもたちや保護者、地域の方々にその美しく優しい音色を聴かせていただき、子どもたちも感動を覚えました。

このピアノコンサートは、木造校舎の多目的ホールで来年も開催予定で、子どもたちや地域の方々、そして、校舎の設計者も楽しみにされています。阿東の大自然の中で強くたくましく育った木材、地域の人々の温もりや優しさ、そうした愛情に育まれながら、子どもたちが「なかよく かしこく たくましく」成長することを願っています。(平成22年8月投稿)

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