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平成23年 (2011年) 2月 18日

教育ちょっといい話 第113回

防府市立松崎小学校 校長 藤田 健二

 

今回、9年ぶりに、学校に勤めている。教育委員会にいる間、校長から学校経営について相談を受けることも多かった。その中で、直接、児童生徒の教育に当たることや保護者の方と」向き合うことの厳しさとともにやりがいを羨ましくも感じていた。

久々に学校に勤務してみると、学力、不登校、いじめ、発達障害、情報モラル等、様々な課題が山積する中、学校教育に対する社会の関心が高まり、学校や教員に対する一層の期待とともにその見方も厳しいものとなっていることを感じる。

こうした中、学校の中で生じる様々な問題の解決に向け、常に、校長が先頭に立ち、問題の本質を見抜き、主体的に行動することが、一層重要なものとなっている。

しかし、現任校に着任して、何をしていいか分からないまま、とにかく、校舎内をくまなく見て回り子どもたちと触れ、校区内の通学路を歩き続け、保護者の方や地域の皆様とつながりを求めている。これは、若い頃に御指導いただいたK校長先生のお言葉をずっと守ってきているからである。

まず、「任地を愛し、自校を愛し、目の前の子どもを愛せよ」

自分が勤務する学校や地域に誇りを感じてこそ、子どもたちも、自分の学校や自分自身に誇りがもてる。また、子どもは、自分が愛されていると感じてこそ、自己を好きになり、他者を愛せる。己に与えられた職責を愚直に全うしたい。

次に、「すぐに役立たないからこそ、ずっと役立つ」

日々、いろいろなことが起きる中、ついつい即効性のある方法を求めがちだが、それはすぐに効力を失う。常に、その事象の本質を明らかにし、教育の淵源を追求し続ける姿勢が、物事の真理を感じ取る感性を育て、何事にも動じない信念を育てる。

初めて教壇に立った時の想いを忘れず、人真似することなく、ただひたすらに歩き続けたいと思っていたら、K校長先生が学校に来てくださった。年齢だけは、あの頃のK校長先生に近づいている。次の世代に何かが残せるよう、ひたすら歩き続けたい。(平成22年7月投稿)

 

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