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周防大島町立城山小学校 校長 江村 松保
現在勤務している小学校に赴任するまでは、私は中学校に勤務していた。その頃の話である。
私が中学校の教師になり、はじめて学級担任をし、非常に落ち込んだと同時に2度とこんな悔しい思いをしないようにと心に決めた出来事がある。それは、合唱コンクールの予選(各学年は8クラスぐらいからなっており、その中の上位3クラスが文化祭に出場する権利を得る)で、最下位になったことである。あれ以来、学級担任として合唱コンクールに向けて、「声だけはしっかり出そう」、「最後まであきらめずしっかり頑張ろう」を合言葉に指導を重ねた。その結果、転勤した2つの学校でグランプリに2回輝くことができた。
40代前半、3年の学級担任をしていた時のことである。入試に自信がないという生徒には、「自信は、はじめからあるものではない。日々の勉強や問題集等をコツコツとやることでつくものである。」と言い続けてきた。
中学3年生の3学期に高校入試がある。公立高校の合格発表も終わり、高校へ進学を希望する生徒の中に不合格の者もわずかながらいた。その中で2次募集を受けたいという生徒がいた。その高校は進学校で、2次募集の倍率も大変高かった。担任としては難関だと思ったが、励ますしかなかった。
合格発表の朝、ある新聞の運勢欄を見ると、「今日は人生で素晴らしことがある」と書いてあったので、合格しているのではないかと思い、高校へ向かった。見事合格していた。この時こそ、「最後まであきらめてはいけない」とつくづく感じた。あれ以来、「最後まであきらめるな」が私の中で本物になったように思う。
(平成25年9月投稿)
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