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山口県立青嶺・美祢青嶺高等学校 校長 古谷 修一
「ランナーズハイ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
ジョギングやマラソンで走り始めると、最初のうちは体がきつくなり苦しくなってきますが、この状態を少し我慢して、ある程度の距離を走り続けるとそれまでの疲れや苦しさが嘘のように消え、体全体が軽快になり、気分も爽快になります。そして、もっと走りたいという気持ちが湧いてくるようになります。このような状態が「ランナーズハイ」と呼ばれるものです。この「ランナーズハイ」を経験するには、もちろん一定時間走り続ける力、すなわち、持久力等の基礎体力が必要です。加えて、継続して物事に取り組める精神力も不可欠になってきます。
このことは学習でも同じようなことが言えると思います。嫌いな教科や苦手な科目の勉強は敬遠しがちですが、そのことを避けることなく、基礎・基本を大切にした学習を日々継続して取り組んでいきます。苦しいけれど少し頑張ってみる、そうすれば、少しずつ苦手意識がなくなり、できなかったことができるようになる喜び、達成感を必ずや得ることができると思います。小さな努力を積み重ねることは口で言うほど簡単なことではありませんが、その小さな一歩一歩を大切にすることで、学習における「ランナーズハイ」を得ることができると思います。
茂木健一郎氏の『脳を活かす勉強法』の本の中に、「脳は『できると分かっている問題を解いても喜ばない』のです。自分にできるかどうか分からない、そういう難しさに挑戦して乗り越えたときに初めて、僕たちの脳はかけがえのない喜びを感じるようにできているのです。」とあります。
学習はもちろんのこと日常生活においても、誰にでも不得手なこと、苦手なことはあります。大切なことはそのことから逃げず、自分にとって高いハードルかもしれませんが、それを乗り越えようとチャレンジし、困難にめげずに努力し続けることだと思います。
(平成26年12月投稿)
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