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平成29年 (2017年) 3月 29日

教育ちょっといい話 第173回

岩国市立美和中学校 校長 加藤 浩久

 美川中スタートの年

本年度、久しぶりの玖北に着任した。実に四半世紀ぶりのことである。今回は美和町であるが、前回新任教員として勤務したのは美川町にある桑根中学校、現美川中学校であった。その学校がこの平成29年3月31日を最後に休校となる。

わたしが美川町に赴任したのは、昭和60年の4月、桑根中学校の最後の年であった。若輩者の私には、当初統合に向けた準備が進められていることなど、ほとんど気付くことができないほど静かな時間が流れていた。しかし、秋になる頃から、作業が本格化していき、怒濤のような日々が始まった。

新たに美川中としてスタートした4月、進路では3年生の第1希望を全て叶えよ、全学年教科の成績でも周辺の学校を圧倒せよ、スポーツでも負けるななどと校長からの静かなげきが飛ぶ。一方教頭からは、校長からのプレッシャーを決して生徒に悟られてはならぬとさらに厳しい指導を受ける。一日たりとも気を抜くことができない日々が続いた。

しかし、何よりも二つの学校から集まった生徒がいち早く心を通わせ合い、年度当初から学校としての一体感が醸し出されていたことが、勤務する者にとって本当に幸せなことであった。

その後、多少時間はかかったが、校歌が選定され、学校としての体裁がいよいよ整うことになった。そのことを生徒以上に喜び、いつも宴会の締めの際、赤ら顔をした大の大人が、子どものように大声で斉唱していたことを思い出すにつけ、未だに赤面してしまう。

 

 

(平成29年2月投稿)

 

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