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山口県立豊北高等学校 校長 竹村 和之
「私は二次募集でこの学校に決まりました。しかし、この学校で本当によかったです。」
卒業式当日配られる学校新聞に掲載された卒業生のこのメッセージに心が震えました。
思い通りにならなかった3年前の高校入試。その時、切り替えて、前向きに、この学校で歩き始めた彼自身が一番素晴らしいのですが、彼にこの言葉を書かせたのは、まぎれもなく、この卒業生たちであり、この短い言葉が、この3年生の、この3年間の、そして、この学校のすべてを物語ってくれていると感じたからです。
彼は、同級生や後輩たちに感謝の気持ちを伝えたかったのでしょう。しかし、この言葉をみんなが読む学校新聞に書くのには、勇気も必要だったはずです。
本校では、一人ひとりに卒業証書を手渡します。階段を一段一段登ってくる彼の誇らしげな姿と、目があった時の笑顔に、彼の勇気に応えてやりたいと感じ、式辞を折りたたみながら、予定にはなかった冒頭の話を紹介しました。
卒業式後、本校にお勤めの元中学校の校長先生がお声をかけてくださりました。
「たんぽぽは、それぞれの場所で、力強く花を咲かせる。」
高校入試後の合格発表までの間に行われる中学校の卒業式で、その元校長先生がいつも卒業生に送る言葉だそうです。
たんぽぽは、土地がアスファルトでもしっかり根付き、何度踏まれても生き続ける強い花です。そんなたんぽぽのように、どんな試練でも乗り越える強い力を持ち、どこに進学・就職しても、それぞれの場所で花を咲かせてほしいというメッセージでしょうか。
中学校と高校の連携は、いろいろな形で取り組まれています。
中学生の思い、送り出す中学校の先生方の思いをしっかりと受け止めたいと改めて強く思いました。
(平成30年3月投稿)
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