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平成21年 (2009年) 8月 3日

教育ちょっといい話 第40回

長門市立大畑小学校 教頭 新江田 智司

「『後を託す』・・・恩師からの贈り物。そして、30年ぶりの再会!」

 

この春転勤した大畑小学校玄関の小ホールには、『希望』と題した少女の銅像が置いてあります。この銅像は、京都在住の今年81歳を迎えられた私の中学校時代の恩師から、転任挨拶の返信として手紙とともに届けられたものです。

山口に就職してから27年。一度もお会いしたことはなく年賀状だけの音信でしたが、今夏の帰省の折に、成人式の際の同窓会以来、30年ぶりに寄贈の御礼をかねて再会してきました。当時の私は、野球に明け暮れ、自分勝手。遅刻が多くて迷惑ばかりかけていた生徒でしたが、ずっと心に留めていただいたことに、感謝の気持ちでいっぱいになり、ただただ頭を下げるだけでした。小学校3・4年の時に担任をしていただいた奥様もご健在で、当時の作文や写真等を出してこられ、昔話に花が咲きました。

お話によると、先生は、私が山口県の教員となった昭和57年に教頭になられ、その後、京都府教育委員会に勤務。そこで、同僚だった方に製作を依頼し、現場に戻った際、教育者の原点である「子どもの夢」の実現に向けて日々の自分自身の行動を振り返り、そして、戒めるために、毎朝この銅像を眺めながら自問自答していたとのこと。子どもとともに「夢」を持ち続けることの大切さ等、先生の教育に対する深い思いが痛いほど伝わってきました。「どうして、こんな大切な物を私に譲ろうとされたのですか。」とお尋ねしたところ、私が先生の教員時代最後の担任だったこと。郷里を離れ、維新胎動の地である教育県山口の教員として独り立ちし、勤務していることを常々誇りに思っていたとの返答でした。

『教師として、後を託す。』と言われた言葉の重みを噛みしめ、期待に沿えるように、「初心忘れず・誠意忘れず・感謝の気持ちを忘れず」を肝に命じ、残り10年の教員生活を頑張らねばと決意を新たにした次第です! (平成21年2月投稿)

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