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平成21年 (2009年) 8月 4日

教育ちょっといい話 第41回

美祢市立嘉万小学校 校長 上野 規子

「当たり前のことを当たり前のように」

 

音楽室外での練習のため、楽器を移動しなければならない時に必ず見られる光景があります。玄関の入り口に一番近い場所に、チューバ・ユーフォニューム・ティンパニ等、靴を脱がなくても取れる位置に大きくて重たい楽器。中程にはトロンボーン・ホルン・スネア・グロッケン。そして、靴を脱いで奥まで歩いて行って取らなくてはならない所に、トランペットのような軽くて小さな楽器を。楽器の種類ごとに整然と並べておいてあります。また、楽器を移動する際にもチームワーク力を発揮してみんなで運ぶ姿、それが至極当たり前だという姿には毎回驚かされます。

嘉万といえばマーチングバンドといわれるように17年目を迎える伝統がこの姿勢を築きあげてきています。マーチングバンド活動で人の心に訴えるような演奏をするには、やはり楽器の扱いから心をこめなくてはならないことを子どもたちは当然のように実践しています。一朝一夕に身についたものではなく、先輩からひきつがれたことと教職員の支援の積み重ねであると思います。

「楽器を扱うときは赤ちゃんを抱っこするようにするんだよ。」子どもたちからこの言葉を聞いて、楽器に対する愛着と優しさがマーチングバンド活動を支えていることを実感せずにはいられません。伝統に支えられた当たり前の行動はこれからも子どもたちに引き継がれ、さりげない優しさを育ててくれるものと信じています。

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