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平成21年 (2009年) 10月 6日

教育ちょっといい話 第46回

周南市立四熊小学校 校長 德吉 朗子

「小さな山愛の小学校」

 

私の学校は、周南市の西部にあるつつじで有名な永源山公園付近から北に向かって入った山中にあります。校長として初めての学校になる四熊小学校をめざして、川上ダムの桜に見とれながら、鳥のさえずりを耳にしながら心弾ませていました。ところが、なかなか学校が見えません。私の目の前の舞台に黒い不安の幕がゆっくりと下ろされていきます。と、その時、雄大な2階建ての木造校舎が緑豊かな山を背に、目の前に表れたのです。「まるで、桃源郷のよう。」と、思わずつぶやいていました。

私は、赴任してから毎朝、通学路の途中まで十四人の子ども達を迎えに行き、ゆっくり話をしながら学校までを歩いています。最初は、あいさつも遠慮がちだった子ども達が、最近は、今夢中になっている本や遊び、家での様子などを口々に話してくれます。

先日、この通学路にある田んぼを地域の方からお借りして、田植えをさせていただきました。その際、四人のおじいちゃんが、指導者となって丁寧に教えてくださいました。田んぼのぬかるみに足を奪われ、しりもちをつく子。なかなか足が抜けなくて、前に進めない子。まっすぐに植えているつもりなのに、カーブを描いてしまった子。経験を積んで見事な田植えさばきを見せる子。下級生に上手に教えながらゆっくり田植えを楽しむ子。等々。

私は今、小規模校である特性を活かして、二十八の瞳が輝く四熊小学校教育を進めていこうと取組んでいます。山の中にある小さな学校ではあるけれど、地域の方々に支えられ、保護者の方々に助けられ、教職員とともに愛のある教育ができることを信じて・・・。

さて、明日からまた朝迎えに行く子どもたちとの話題がひとつ増えました。

「稲、大きくなってる?」

桃源郷のような地で理想の教育ができる喜びを味わっている毎日です。

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