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周南市立鼓南中学校 校長 須内 章雅
まだ若かりし新米教員のころ、ある中学校の冬場の寒稽古で柔道の指導をしていました。
私は体育の教員ではありませんが、中学校の時柔道部に所属していたので一通りのことは指導できそうということで、補助的にお手伝いをしていました。
経験はあっても指導者としては初心者で、方法など分からず無我夢中で取り組んでいた思い出があります。ただ、けがはさせたくないので準備運動はみっちりと、受け身もやりすぎぐらいさせました。乱取りについては教えるよりは生徒の中に入って動いていました。私は身長、体重とも平均より小柄なため、はたから見ていたらだれが先生でだれが生徒か分からない状況だったと思います。
3月にその中学校を転任することになり、たくさんの生徒から送別のことばをもらいました。その中の一つに次のように書いてありました。
「先生は小さいので柔道は下手かと思っていたけど、おうまいですね。」
ことばをうまく使えていないけれど、精一杯敬意を払って気持ちをつたえようというところが感じられてほほえましく思いました。また同時に、体は大きくてもやはり中学生は成長のど真ん中であり、どのような色にも染まっていく可能性を秘めた存在なのだということもあらためて感じました。学校では教職員の取り組み方によって、生徒は大きく変化していきます。常によい変化を求めていかなければなりません。教育に携わる者の責任の重さということも感じさせてくれた一文でした。
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