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萩市立佐々並中学校 校長 村岡 純
私の母は、小学校の教員をしていました。その反発からか、私自身の将来構想には教員という言葉はありませんでした。そこで、私は、自分の小さい頃からの趣味と直結した、ウナギの研究をめざして、水産学部淡水増殖学科に進学したのです。
初めて親の束縛を離れた生活の中で、寮生活、カッター部、ダンス同好会等で青春を満喫しているうちに4年生となり、「自分は一体どうなるんだろうか。」「どうなりたいんだろうか。」を模索し始めました。そんな折、卒業後、知多半島の小学校で教員生活を送っていた1年先輩(年齢は4つ上)のMさんが寮を訪ねて来てくれました。Mさんの、「教員という仕事はすばらしい」という、魅力的な話に引き込まれ、思わず、「僕にもなれますかね?」と、私が言った時、Mさんが 私に言ってくれた言葉。「なれる!」この一言が、現在の教員生活のきっかけになったことを鮮明に記憶しています。
自分の将来像が見えず、彷徨っている中での大きな一言……。そう考えてみると、一言の重さ、その先輩との出会い、言葉を受け入れるタイミング等、人と人とのかかわりの大切さが見えてきます。
教員として日々の暮らしに流されながら三十数年……。現在私は、萩市立佐々並中学校という全校生徒14人の小さな学校に勤務しています。生徒は、穏やかな地域の中で、健やかに育まれ、自らの夢を探し、求め、達成をめざして日々努力しています。
私は、この14人の子ども達との出会いをかけがえのないものとして大切にしていきたいと考えます。そのためには、自分の人生に大きな影響を与えてくれた、「成れる!」との出会いのような、人生の糧となる体験をより多くの子どもたちに積ませることが使命であると強く思っています。(平成21年6月投稿)
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