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平成22年 (2010年) 1月 19日

教育ちょっといい話 第57回

萩市立大島小学校 校長 中村典生

新たな環境が人を伸ばす

 

これまで30年近くの教員生活の中で、1度だけ1年生を担任した。

この1年間の経験は、自分の授業観をかなり変えたと思っている。自分なりに授業をつくり、自信とはいかないまでも、こうすれば授業はできるのではないか、という思いをもっていた。ところが、1年生に45分の学習を成立させることは、私にとっては至難の業だった。特に憂鬱だったのが道徳、資料を読んで聞かせるときは、興味津々で聞いてくれるのだが、「このときの○○さんはどんな気持ちで・・・」という時間が続くと、子どもたちの目が段々と別のものに移っていくのを感じながら、子どもにとっても教師にとってもつらい45分を何度となく経験した。

ある時、先輩に、「どうも最近の1年生は人の話が最後まで聞けませんね。授業の集中力が続きません。」と言うと、「それが1年生、原因はあなたの授業がおもしろくないから。」と切られた。そう言われても・・・と思いながら、どうすれば40人の1年生に集中を持続させることができるかと、いろいろと考えたことを思い出す。

いずれにしても、これまでの自分の授業力を高めてくれたのは、1年生担任という私にとっての初めての環境だったと思う。新たな環境というものは、ちょっとやっかいで、不安になるものだが、自分を伸ばすよい機会となると思う。

今、私は、新任の校長として萩市にある大島小学校に勤務している。島での生活も初めての経験である。毎日、自分が求める学校をめざし、自分なりに取り組んでいるが、この新たな環境が自分を伸ばしてくれると思っている。(平成21年7月投稿)

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