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平成22年 (2010年) 3月 3日

教育ちょっといい話 第62回

岩国市立小瀬小学校 校長 清水 茂雄

 「銀行での研修を終えて」

 

昨年は一年間に渡り、株式会社西京銀行で長期社会体験研修をさせていただいた。見るもの聞くもの全てが目新しく、意欲的に銀行のあらゆるものを吸収しようとした。

営業店の分厚い扉がある金庫の中に入れてもらった時には、札束の固まりが山のように積んであるのであろうと胸が高鳴った。しかし、実際のところは、お客様から預かったお金は効果的に資金運用しなくてはならないので、一定額以上は日銀へ預けることになっているそうだ。また、行内には有価証券を買って、刻々と変わる為替レートや株価を常に監視しながら売買をしている部署があり、専門用語が飛び交っている。正に、家庭のテレビに映し出される光景そのものであった。

ところで、銀行全体の数値目標達成に向けて全営業店さらには、全行員が一丸となって業務に専念するのであるが、いかに個人目標を設定するのかがとても興味あるところであった。日々、顧客への融資と融資残高が変化したり、預金の預け入れと払戻が変化したりするからである。それには、当然利息というややこしい数字まで付いてくる。とにかく、高等数学が必要である。しかし、行員のほとんどは「数学は苦手でした。」と口を揃えて言うところが不思議な世界ではある。

この研修を通していろいろな方との出会いがあった。実にたくさんの社長さんから学校への期待や思いを聞き、企業の人材育成は既に学校教育から始まっていると感じた。また、金銭の大切さは当然のことではあるが、それをいかに稼ぎいかに価値あるものに変えていくのかは、その人の人生哲学と経営理念に辿り着く。社会体験研修を通して、今までの自分の生き方を振り返る意味でも貴重な体験であった。(平成21年7月投稿)

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