背景色を変更する
文字サイズを変更する

ここから本文

トピックパス
トップページ > 先生のページ > 教育ちょっといい話 > 現在地

平成22年 (2010年) 3月 25日

教育ちょっといい話 第65回

萩市立大島中学校 校長 國澤 尚明

 言葉の力を信じて

 

この4月に校長として着任し、最初の大仕事は入学式の式辞。どんな内容の話にしようか随分迷いましたが、奇をてらわず、オーソドックスに校訓を引き合いに出し、話をすることにしました。

本校の校訓は「至誠・創造・躍動」です。その最初に掲げられている「至誠」とは、端的に言えば、まごころを尽くすことであり、まさに吉田松陰先生の生き方そのものです。そして、私の一番好きな言葉でもあります。

式辞では次のような話をしました。「至誠とはまごころを尽くすことです。吉田松陰先生の生き方そのものといっていいでしょう。まごころを尽くすとは、例えば、坂道で重たい荷物を持っているお年寄りの方がおられたら声をかけるなど、思いやりの気持ちを具体的な行動に移すことです。気持ちだけで終わらせず行動に移すことは、ある意味、勇気のいることです。しかし、こうしたら友達のためによい、こうしたら学級・学校がもっとよくなると思ったら、思いだけで終わらせず、ぜひ行動に移してほしい」と。

そして、ある6月の朝のことです。「登(のぼり)の坂のゴミ置き場で、ゴミの積み込み作業を中学生男子4名が手伝っていましたよ。とても感心しました」ということを小学校の先生がわざわざ伝えに来られました。梅雨のうっとうしい朝、さわやかな一陣の風が職員室に吹き込みました。

その時、生徒たちの頭に式辞のことはなかったでしょう。しかし、これからも、言葉の力を信じ、さまざまな機会を捉え、生徒の心に響く話をしていきたいと改めて思ったのです。(平成21年7月投稿)

 

一覧に戻る

ページトップ