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平成22年 (2010年) 4月 13日

教育ちょっといい話 第71回

周南市立粭島小学校 校長 磯谷 玲子

 「粭島の伝統にふれて」

 

今年4月、新任校長として着任した粭島は、私が幼い頃住んでいた昭和30年代の田舎を思い出させてくれます。自然の風景はもちろん、あの頃のおじさん、おばさん達が醸し出していた人の「情」に同じぬくもりを感じるのです。粭島には、明治・大正時代に活躍された北洋漁業の先駆者「石丸好助」翁がふるさとの偉人として今でも人々の尊敬を集めています。「なくてはならぬ人となれ」これが、石丸翁の遺訓です。ふるさとを思う情愛や人々への恩が、この言葉となったのでしょう。粭島の方々から感じたぬくもりは、石丸翁の思いが風土となって人々に受け継がれているからではないでしょうか。

本校では、この思いに支えられて27年間にわたり、伝統文化継承活動として舟漕ぎ唄「ホーランエー(宝来栄)」が続いています。4月の第1回目の練習、子どもたちが天をつかんばかりの声で誇らしげに歌い出しました。驚きました。ふるさとの風土や人々を大切にしてこられた地域の指導者の誇りが、技とともに子どもたちにもしっかり受け継がれています。「なくてはならぬ人となれ」は、まさに、地域の方々の姿にあります。

日々慌ただしく過ごす中で、初心を忘れかけていました。校長として、地域の方々をたくさん学校にお招きして、自然に子どもたちと接していただける環境をつくること、これが心の教育につながっていくことを。着任から4ヶ月過ぎた今、自分の歩みを振り返る機会となりました。(平成21年8月投稿)

 

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