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平成22年 (2010年) 5月 1日

教育ちょっといい話 第75回

下関市立豊洋中学校 校長 窪田 雅

 ある日の校長室便りから「ものわかりの悪い大人になる努力をしませんか。」

 

職員室入り口にある公衆電話。生徒の皆さんは、きちんと「電話を貸してください。」と一声かけて使っていきます。(黙って勝手に使用する生徒はいません。)が、大いに気になるのが用件です。ほとんどが、忘れ物を届けてほしいお願いと、お迎えのお願いのような気がします。雨の日には、行列ができます。急な天候の変化もあるでしょう。この間のように、大雨警報が発令されたり、雷が鳴ったり、危険なこともあるでしょう。でも、できる限り、雨の中をびしょびしょになりながら自分の足で登下校させること。忘れ物をしたら自分で責任をとらせることは、やがて一人で生きていかなければならない子どもたちにとって大切な体験だと思います。愛するわが子のために、心を鬼にして、手出しすることをぐっとがまんする覚悟が、いま私たちに求められているのではないでしょうか。ものわかりの悪い大人になる努力をしませんか。

今日、生徒の皆さんに、「忘れ物を持ってきてもらうための電話の使用やお迎えをお願いする電話の使用はダメ。」と指導しました。もちろん、いろいろなケースがあるでしょう。いっさい使用させないということはできませんし、一人ひとり電話の内容を確認することはできません。どうか、「これからは電話をしても、忘れ物は届けないよ。」「よほどのことでないと迎えには行かないよ。」と、わが子に宣言していただきたいのです。わが子を自立させるために。将来の人生の構えを作るために。よろしくお願いいたします。

(平成21年7月投稿)

 

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