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平成22年 (2010年) 9月 6日

教育ちょっといい話 第92回

山口市立生雲小学校 校長 寺内 かずみ

 

「あいさつ」はなぜするの

 

平成22年1月16日山口市と阿東町が合併し、山口市立生雲小学校になりました。本校は緑に囲まれた自然豊かな所にあります。昔は炭鉱で栄え、児童数も多かったのですが、今は過疎化、高齢化が進み、児童数27名、完全複式の小規模校となりました。

4月の初め、子どもたちに「生雲小はどんな学校ですか。」と聞いてみると、「みんな仲がよい。」という答えが返ってきました。明るく素直な子どもたちですが、ただ一つ課題がありました。「大きな声で元気よくあいさつすることが苦手。」目と目が合えばするのですが、なかなか元気のよいあいさつができません。「朝、玄関に入る時、言ってみましょう。」と呼びかけました。「児童総会」でも解決策を考えました。その時、「なぜ、誰もいない玄関であいさつするのか。」という疑問をもった子がいました。そこで、全校集会の時、薬師寺東関東別院の水雲山潮音寺副住職 大谷徹奘さんが書かれた『「愛情説法」走る!』の中の一説、「あいさつ」には次の意味があるということを子どもたちに話しました。

その一つ、「礼儀」の礼という漢字は一文字で「あいさつ」と読みます。「礼」はもともと「禮」と書き、「示」という字は神様を表し、「豊」は実りを意味します。つまり豊かにたわわに実った作物を神様にお供えするという意味なのです。これが「あいさつ」の基本とされていたのです。あいさつは神様へ、ひいては目に見えぬお蔭様に感謝することだったのです。すなわち、「あいさつ」は目に見えないものへの心遣いのことだということです。目に見えないもののことに心を遣う、思いやる。これが「あいさつ」なのです。

私たちも人を想い、感謝し、コミュニケーションの第一歩としてあいさつをしたいものです。(平成22年6月投稿)

 

 

 

 

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