背景色を変更する
文字サイズを変更する

ここから本文

トピックパス
トップページ > 先生のページ > 教育ちょっといい話 > 現在地

平成22年 (2010年) 9月 27日

教育ちょっといい話 第95回

萩市立佐々並小学校 校長 福田 良子

「心の土づくりは・・・」

私には、サルビアの苗で苦い思い出があります。まだ、20代のころのことです。今は周南市になっていますが、緑化日本一に表彰されるような学校へ転任した年のことです。大きな学校で、クラスが1学年3クラスありました。当然、学級ごとに大きな花壇があり、その世話を子どもたちといっしょにしていました。徳山動物園から堆肥が届くのですが、それを腐葉土といっしょに、花壇に入れます。

まず、土づくりです。言われたような深さの穴を掘り、みんなで肥料を入れました。そして、サルビアの苗を植えました。ちょうど今の時期だったと思います。梅雨で、毎日雨が降っていましたが、苗は元気でした。そして、夏休みになりました。例年ですと、朝から暑い夏・・・。

ところが、その年は天候不順で、日照時間が足りない雨の多い夏でした。すると、苗の元気がなくなってしまいました。私は心配で、毎日花壇を見に行きました。でも、どうすることもできません。ところが、お隣の組の花壇の苗は、とても元気がよく、ぐんぐん伸びていました。私は、とても不思議に思いました。そして、隣の組の先生に尋ねました。「どうして、苗がこんなに大きくなっているのですか。」すると、こんな答えが返ってきました。「最初の土づくりが違うのよ。あなたのクラスの倍以上深く穴を掘って、肥料を入れました。だから、少々の天候不順には、負けないのよ。」私はびっくりしました。外から見たら同じように見える花壇なのにこんなに違うなんて。・・・」私の心に強く残りました。見た目でない。本当に大切なものをしっかり育む。

現在、世間では盛んに効率化、効率化といわれています。でも、本当に大切なことは、じっくり相手(対象)に合わせて取り組むことではないでしょうか。(平成22年7月投稿)

 

 

 

 

一覧に戻る

ページトップ