背景色を変更する
文字サイズを変更する

ここから本文

トピックパス
トップページ > 先生のページ > 教育ちょっといい話 > 現在地

平成22年 (2010年) 11月 4日

教育ちょっといい話 第99回

下関市立安岡中学校 校長 溝部 洋司

 

 

「この1学期、私はみなさんから元気をもらいました。ありがとう。」から話し始めた1学期終業式の式辞。よくお年寄りが小さい子から元気をもらうという話を聞くが、ちょっと早すぎるか。朝のあいさつ、授業中の姿、クラスマッチなどの学校行事で様々な顔、意外な顔を見せてくれた生徒たち。今回、特に強調したのは部活動の試合の様子である。「腕を突き上げ満面の笑みを浮かべる勝利の姿」、「勝利の直後、補員・応援の者が嬉しそうに寄ってきて輪になる姿」、「悔しくてグラウンドに大の字になり大声で泣き叫ぶ姿」、「負けて顧問に抱きかかえられて去っていく姿」など、様々な姿を生徒に紹介した。「あっ、自分の部のことだ。」と気付いてくれただろうか。

紹介できなかった場面はまだある。試合後、顧問が保護者と一緒になって、「勝敗はともかくみんなの応援態度はどこにも負けてないよ。」と伝え、嬉しそうにする生徒。我が子らに向かって、「こんなにひたむきにプレーするチームは珍しいよ。」と誇らしげに語る母親たち。接戦の末、勝利を収めた歓喜の直後、先輩の嬉し涙にもらい泣きをする後輩。接戦の末、負けてしまい、日頃明るく元気な先輩の涙する姿を見て声もかけられない後輩。春から勝ちに恵まれなかったチームの副顧問が、「最後の試合で○○先生(顧問)に勝利をプレゼントしてあげなさい。」と伝えると本当に勝って親子共々大喜びの中、実は一番喜んでいた副顧問。本当に元気をもらっている。

もちろん、うまくいかないことやつらいこと、批判をいただいて反省することはたくさんある。しかし、この生徒たちとそれを取り巻く大人たちの一喜一憂する姿や「あっ、見てくれてたんだ。」と嬉しそうな顔をする生徒の姿を見るとつらさや疲れが一気に吹っ飛ぶ。2学期末も「またみなさんから元気をもらいました。」と伝えたいものだ。(平成22年7月投稿)

 

 

一覧に戻る

ページトップ