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長門市 上野 和雄
現状維持が続くとマンネリ化が生じます。従って物事を発展させるためには、新しい試みへの挑戦が必要です。挑戦するには研究や準備が欠かせません。創業以来繁栄した一流企業が経営不振に陥ることがありますが、慣例が重視された結果だと思います。明治時代に人材を輩出した防長教育も大正時代前期には、萩出身の柴田家門文部大臣に「本県の初等教育は劣位にあり」と批評されました。
教育は教師の人格・識見・意欲に係わるところが大ですから、研修は極めて大切です。研修形態は様々ですが、ここでは校内の共同研究を中心に述べてみたいと思います。
研究担当の教師が「新しい発想でこんな授業をしてみたい。記録をとったり、児童を観察したりして、手伝ってほしい」と提案し、数名の者が授業参観にいく。数名はその授業を基に更によりよい授業を研究し授業を公開する。こうした雰囲気が職員室で見られるようになると学校は変わります。校内の共同研究を盛り上げる第一の鍵は、研究の核となる人(学校規模にもよるが3〜4名)を育てることです。
研究の推進は、ら旋型に向上するのがよいように思います。右肩上がりの直線型に進んだ場合長続きしません。一人一人の教師の財産ともなるように研究を進めるには、各人が納得し意欲をもつことが前提となるからです。
さらに理想をいえば、一校のみの研究でなく中学校区内の小中学校が、授業公開を通して共同研究する体制ができると、お互いに得るところがあり地域の教育は向上します。教育行政の指導を受けることも期待できます。
「教育は人なり」と申しますが全くそのとおりです。子どもの現実を見つめ、将来必要とされる力を考えながら、地道な教育研究を続けられることを願っています。
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