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美祢市立重安小学校 校長 渕上 真治
朝、校長室には朗読を聴いてもらおうと子供たちが集まってくる。今日は特別支援学級のA君がやってきて、「ゆずり葉」という長い詩を朗読してくれた。
本校は本年度の11月に長門市で開催された県総合芸術文化祭「子ども夢プロジェクト」に参加した。その際、多くの方々に協力をいただいた。そのお礼の会を例年の地域参観日(重小フェスタ)に合わせて行うことにしている。
A君はそこで披露する詩を毎日練習していて、今日は友達と3人で校長室を訪れた。A君は一生懸命練習したに違いない。いつもと違って、途中で読み間違えることなく最後まで朗読した。私は本当にびっくりして、自然と「よくがんばったね、すごく上手だったよ。」と褒めていた。一緒に来た友達が「○ちゃん、うまいじゃ。」と言うと、笑顔が顔一杯に広がっていた。
しばらくすると、校長室の窓から担任の先生と菊のお世話をするA君の姿が見えた。私はチャンスと思い、先生に「A君は上手に詩を朗読しましたよ。」と伝えた。先生は「○ちゃん、よかったね。また、がんばろう。」と嬉しそうに励ましていた。
ほんのひと言、声をかけただけだったのに、担任と子供が元気になってくれた。しばらくすると、外から菊のお世話をしながら元気な声で詩を暗唱するA君の姿があった。
今朝は一段と冷え込んだが、私の心はとても温かい気持ちになり、穏やかな一日のスタートをきった。
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