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平成21年 (2009年) 3月 25日

教育ちょっといい話 第22回

山口県教育会  田中 淳夫

授業記録を手にして

 

もう始めてから35年は経過したのではなかろうか。私は授業分析をするサークルに所属している。

 

授業分析という言葉に馴染みがない方が多かろうと思われるので、説明をさせていただくと、自分の授業をテープに録音し、それを文字に起こして授業記録を作る。1時間の授業を文字に起こすには平均4〜5時間かかる。起こした授業記録はどのようなものかというと、授業の初めから、教師の発言、子どもの発言が並ぶ。子どもは、もちろん名前を入れてある。

 

この授業記録を読み返すと、授業が再現できるのである。そして、次のことがみえてくるのである。それが授業分析である。

 

1 教師の指導と言われる出場、出方が子どもの思考を深めることになっているか。

2 この子は、授業に参加しているか。

3 この子は、この授業で思考を深めることになったか。この子の思考の特徴は?

4 教材が、子どもの思考を発展させる働きをしているか。

 

ところが、一人で記録を取って読み返しても、上記の4点はなかなか見えてこないのである。視点の違った仲間の眼がいるのである。

 

それがサークルの同人である。長年やっていると、遠慮して意見を言うことが授業者の為にならないことが分かっているので、仲間は遠慮しない。ときには険悪な雰囲気になることもあるが、授業者はそれをしっかりと受け止めることができるようになっている。

 

このサークルの研究会は、過去は毎週開いていたこともあったが、今は年間15回だ。現在10名を少し超えた会員だが、毎回、自ら進んで、「自分の授業を観てください。」と授業記録をもって集まってくる。今回も、山口市内の先生が授業記録と授業のビデオをもってやって来た。3時間の分析では足りないということで、次回も続けて分析することになった。

 

山口県の先生 捨てたもんじゃない。

 

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