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平成21年 (2009年) 4月 16日

教育ちょっといい話 第28回

岩国市立平田中学校 校長 隅野 努

あいさつについて

 

現在、中学3年生の一人ひとりの生徒に対して進路に関わる面接指導をしている。その質問の中の一つに「出身中学校のよいところはどんなところですか。」というのがある。生徒たちは、ほぼ全員が「平田中学校の生徒は、あいさつがよくできることです。」と答える。

私がこの4月に平田中学校に着任した時に一番驚き、感心したのが生徒たちのあいさつだった。本校は、正面入り口から教職員の駐車場まで、運動場や体育館の横を通って行くようになる。その途中で生徒に出会うと、どの生徒も立ち止まって気をつけの姿勢になり、車の運転者の方を向き、丁寧に頭を下げる。これまでこのようなあいさつを中学生からされたことがなかった私は、思わず自分自身の襟を正さざるを得ない気持ちになって、頭を下げる。

大村はま先生の「教えるということ」の本の中に、「子どもは白紙の心でじっとみなさんをみつめ、そしてみなさんを尊敬しています。年が上だから尊敬するようになっているんです。実際には、私たちよりも、もっともっとすばらしい人がたくさんいる、年が小さいがゆえにわが教え子となってそこにいるにすぎません。」とある。

教職員や本校を訪れる人、保護者や地域の人たちに丁寧にあいさつをしてくれる子どもたちが一人残らず、学ぶ喜びにあふれ、人間性を高め、幸福を満喫していくために力を尽くしていかなければならないと、子どもたちのあいさつを受け、頭を下げるたびに思う。

(参考資料:「教えるということ」著者 大村はま、発行所 (株)共文社)

 

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