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和木町立和木中学校 校長 上野 敏文
地域の中学校の運動部活動の大会に、現任校の生徒の応援に出かけた日の出来事です。
会場で応援していると、「先生、お久しぶりです。」と声をかけられました。声の方を見ると、私が以前勤務していた中学校の教え子が3人と教え子の奥さんがいました。
私は30年前に10年間その中学校に勤務していました。そして、月日が流れ、教え子が親となり、教え子の子どもがその中学校に入学して大会に参加していたのです。
中学生となった子どもの姿を前にして親となった教え子と話す内容は濃いものでした。それも一人や二人ではないのです。「先生、○○君憶えている、あの子よ。隣は△△君、その隣は◎◎さんとこ」というふうに説明されると、確かにお父さんの中学生時代そっくりの中学生がいました。これには、驚き、感心し、うれしくなりました。
というのは、当時、卒業生を送り出しながら、将来この地域は過疎になるのではないかという不安を持っていました。卒業後、地元に帰ってくるのか、地元の高校は存続するのか、と考えていました。
四半世紀たった今、高校は来年から分校となりますが、中学校のクラス数はそれほど減らず、元気一杯活動している中学生がいました。教え子達が地元でしっかりと生活しており、立派な親になっている姿を目の当たりにできたことがうれしかったのです。
教え子の子どもの姿を見ながら教え子達と交わした思い出話は、若き日の教育にかける情熱を思い起こしてくれました。そして、自分の教育信条や理念への自信を深めることができ、新任校長として学校経営していくバックボ−ンをさらに強化することができました。
地元の高校は、「本人の夢」や「保護者の希望」に沿わないことになる? |
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