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平成21年 (2009年) 5月 28日

教育ちょっといい話 第33回

山口県ひとづくり財団 沖浦 初孝

「一人の百歩より百人の一歩」

 

〜全ての偶然は貴方へと続く〜 はヒットしている歌の歌詞である。それにしても恐ろしい「偶然」を新聞の記事で知った。”米露の衛星衝突宇宙ゴミ大量に飛散”、新たな宇宙ゴミが約6000個も広大な宇宙空間を漂っているという。また、英仏の原子力潜水艦が北大西洋の海中をパトロール中に衝突事故を起こしたが、幸いにも双方とも負傷者はなく放射能漏れも起きていないという。

我々の見えない空の上で、海の底で偶然が重なり過ぎて怖い話である。全ての偶然が地球環境の破壊につながって行くとしたら、手をこまねいている訳にはいかない。

ところで、私は環境問題の本当の実態はどうなのか迷うところでもある。

1997年の京都議定書によれば、地球温暖化は二酸化炭素の排出量に強く影響されるとある。この議定書は2005年から発効し、各国が二酸化炭素の排出量を減少させるべく対応してきているところであるが、最近、読んだ雑誌の記事では、地球はこれから寒冷化に向かう。人類が誕生した600万年前から数えると、四度の氷河期を経て我々は現在間氷期にあり、穏やかな小春日和を謳歌しているが、それがいつ終わってもおかしくない状況にある。5〜10年後には、温暖化か寒冷化かその決着が見えてくるとあった。本当はどうなのか。

また、エコ対策として生活ごみの分別が定着してきているが、分別することはエコ対策につながらないと聞いたこともある。そう言えば、生徒たちが分別したごみが、無頓着に回収車に放り込まれる光景を目の当たりにしたこともあった。本当はどうなのか。

3月末、日本科学未来館で開かれた子どもエコクラブ全国フェスティバルに参加して講演で、「一人の百歩より百人の一歩」という言葉を久し振りに聞いた。環境問題は専門家や関心のある人たちに任せるのではなく、一人ひとりが取り組んで行くことの大切さを訴えた言葉であると思う。一人ひとりが知識を深め、意識を変え、行動して行かなければ何も変わらないし、美しい地球の未来は明るくないと感じている。

 

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