「第2学年 国語学習指導案

1 単元名
すきな お話を 読もう
基本教材 スイミー:光村図書
発展教材 アレキサンダとぜんまいねずみ
せかいいち おおきなうち
ひとあし ひとあし

2 単元設定の理由
○ 平成14年度に実施した山口県学力調査(小学5年生対象)で、読書紹介をテーマにした設問で、「自分が紹介したい本」と「紹介したい内容」を記述するものがあった。結果的には、「おおむね良好」であったが、2割弱の児童が5年間の読書指導のうち、1冊も紹介できる本を持たないという事実が明らかになった。すばらしい作品と出あわせ、幅広い読書習慣を身に付け、本の好きな子に育てることが、国語指導の中でも、重視されるべきであると考える。

 低学年の子どもたちは、お話が好きだから読書の時間を確保すれば、本好きの子どもたちに育つという安易な考えをもつ人はいないであろう。本学級の児童についても、自分から意欲的に読みたい本を見つけ、作品を楽しく味わいながら読める子もいれば、あらすじをおさえながら読むことが苦手なため図鑑を好む子もいる。また、たくさんの文があると抵抗感がある子や読みたい本がなかなか決まらない子もいる。
 しかし、どの子もお話の読み聞かせは大好きで、集中して聞くことができる。児童の作品に対する見方や感じ方を豊かにするためには、良質の絵本との出会いを通して、語彙を増やしたり、イメージを豊かにして読みとる指導の工夫が大切である。

○ 本教材は、スイミーが大きな魚によって兄弟たちを失った後、また仲間を見つけ、今度は協力して大きな魚を追いだし、楽しく暮らしていくファンタジックでしかもドラマチックなお話である。知恵と勇気をもって、元気に生きていくスイミーを児童は共感的にとらえ、読み進めていくことができる。
 レオ=レオニの作品は、叙述が詩的であり、体言止め・倒置法・比喩など多様な表現法が駆使されているので、児童の語彙を豊かにし、表現力を高めるのに有効である。すばらしい挿絵といっしょに生き生きとした描写とストーリーの展開のおもしろさを味わうことができる。「スイミー」だけでなく「アレキサンダとぜんまいねずみ」など、主題や話の筋がとらえやすい作品が多く、読書の幅を広げる単元計画が立てやすい。

○ 指導にあたっては、以下の点に留意したい。
本単元では、レオ=レオニの作品を複数教材として扱い、すばらしい絵本をたくさん読み、絵本のおもしろさを味わうきっかけとなるような単元の展開を図る。
ブックトークや読み聞かせの手法を指導計画に取り入れることにより、お話の世界へ児童を引き込んでいく工夫をする。
児童がスイミーの世界に十分浸り、豊かに場面をイメージできるよう、ペープサートや大きな挿絵を使い、情景や心情の読みとりを深める。
体言止めや倒置法、比喩の文章に着目させ、普通の文章に書き直したり、声に出して読んでみたりして、感じ方を比べ表現法のおもしろさをしっかりと味わえるよう工夫する。



基本教材「スイミー」の読みとりでは、各場面ごとにスイミーの友達になったつもりで、吹き出しにスイミーへの語りかけを書く活動を取り入れ、スイミーの行動や心情を共感的に読み取る努力をする。最後のまとめとしては、スイミーへ手紙を書くことで、読みを深める。本単元の前に、「お手紙こうかん会をしよう」という単元を経験しており、児童は手紙を書くことに興味をもっている。自分がスイミーの友達になったつもりで、手紙を書く活動を設定することで、書くことに抵抗感を持つ児童への配慮をしたい。
第3次の発展教材としては、レオ・レオニの絵本を3種類用意し、児童の好みに応じて選択させる。一人で内容を読み進めることができるように、作品に応じたワークシートを作る。

3 目標
好きな絵本を探して読み、話の展開の楽しさを味わうとともに、進んで友達に紹介しようとする態度を養う。
お話の世界に浸り、場面の様子などについて想像を広げながら読み取ることができる。
レオ・レオニの多様な表現方法を文章の中から発見し、他の表現と比較したり視写したり、書き換えの操作をしたりすることができる。
おもしろかったことや感動したことをまとめたり、スイミーの友達になったつもりで手紙を書いたりすることができる。

4 指導計画(全15時間)
学習活動 指導上の留意点・支援 評価規準 評価方法
レオ=レオニの絵本
と友達になろう




「コーネリアス」「さ
かなはさかな」「フレ
デリック」「スイミー
単元のねらいを知らせ
学習のめあてをもたせ
レオ=レオニの絵本
を興味をもって探し、読もうとする。



ブックトークへの参加態度


ノート


















スイミー 基本教材
初発の感想
・登場人物と場面の
 確認
簡単な文であらすじをまとめる。

海で楽しくくらすスイミー

ひとりぼっちのスイミー


元気を取り戻すスイミー

挿絵の横にマークを書きながら読む。
(こ)こわかったろうな
(お)おもしろかった


ペープサートによる自
己紹介

まぐろのおそろしさ
ひとりになったスイミ
ーの寂しさ

体言止め・倒置法・比
喩などの表現に着目
スイミーになって、元
気になっていく気持ち
を自分の言葉で書く。

心に残った場面につ
いて(理由もあげな
がら)感想を書くこ
とができる。


兄弟のことや体の特
長をおさえながら説
明できる。
まぐろの恐ろしさを
1つの言葉からでも
感じることができる
独特な表現法を普通
の文と比べてちがい
を指摘できる。(表
現法の効果に気づく
。)

ノート
発表




ペープサート


ワークシート



ワークシート
発表





学習活動 指導上の留意点・支援 評価規準 評価方法
E



F


G


H

なかまを見つけた



ぼくが目になろう


大きな魚を追いだし

スイミーへ手紙を書
こう
ペープサートでスイミ ーと赤い魚のやりとりを演じる。

スイミーの作戦
目の役目

喜びの表現最後の文の
読み方を工夫

スイミーが教えてくれ
たこと
あらすじにそって、感
想を手紙の形で書くよ
うに助言する。
スイミーに誘われた赤
い魚になって言葉を考
えることができる。

スイミーの2つの作戦
を読みとっている。

喜びの気持ちが表れる
ように(工夫して)音
読している。
今まで読みとったこと
を生かしてスイミーへ
語りかけるようにまと
めることができる。
ワークシート
役割演技


ワークシート


音読


ワークシート



@






A




B





C
レオ=レオニの他のお話を読んで、読書紹介を書こう
発展教材の読み聞か





ワークシートによる
読みとり(各自)



グループで読みとり
を発表し合う。(意
見交換)



読んだ絵本の紹介文
を書く。




発展教材
「アレクサンダとぜん
まいねずみ」
「せかいいち おおき
なうち」
「ひとあし ひとあし
話の展開でおもしろか
ったところ
その子に合った作品を
選ぶよう助言する。

お話のおもしろかった
ところ
レオ=レオニが教えて
くれたこと
スイミーと似ていると
ころ
おうちのひとへ紹介す
るように書く。



読み聞かせを楽しみ、
自分の読みたい作品を
選ぶことができる。(
理由をつけて)



話の展開を楽しみなが
ら読み、おもしろかっ
たことや感動したこと
をまとめることができ
る。
話の主題について(自
分なりに)考えてい
る。



あらすじだけでなく、心
に残ったことや感想を加
えて紹介文を書いてい
る。



感想ノート






ワークシート




ワークシート
グループでの
話し合いの様


紹介文



学習活動 指導上の留意点・支援 評価規準 評価方法

@






A
絵本大すき
他の作者の絵本の紹





友達に読書紹介文を
書く。

エリック・カールやマ
ーカス・フォスター、
神沢利子などの作品を
紹介する。
選ぶのが苦手な子には
教師が選んで、すすめ
てみる。

好きな本を選んで読ん
でいる。
友達に紹介された本も
読み、感想を話し合っ
ている。


おもしろいと思ったと
ころを(理由もつけて
)紹介している。

読書記録

読書の様子




紹介文


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