説明文学習の重要性
 近年、「伝え合う力の育成」という観点から、子どもたちは、楽しそうにそれぞれの思いを授業中に語ることはできるようになってきてはいるが、それは、カラオケ型発表会と揶揄されるように、要点をまとめて発表したり、相手の要旨は何かに関心を持って聞いたりというまでにはいたっていないということが多く指摘されてきている。(このことは、平成14年度に山口県教育委員会が行った学力調査の結果からも伺える。)
 では、本県の実態調査から浮かび上がってきた問題点を解決するための糸口はどこにあるのだろうか。一つは、説明文教材の授業改革ということがあがってくる。どちらかというと文学教材が中心の国語科にあって、説明文教材の重要性をはからずも子どもたち自身が、教えてくれているのではないだろうか。
 やはり、自己中心的な思考の段階から、論理的・客観的な思考の段階へと移行し、自然科学的な内容にも興味が広がってくる発達段階にある3年生に、書かれていることの要点をおさえ、正しく内容を読み取る力を身につけることは、今後の学習の基礎を培うという観点からも非常に大切な学習になってくると考える。
本単元の目標
 3・4年の国語科の目標を「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」の3領域から見てみると、「要点(中心)をつかむ」・「段落相互の関係を考える」ということが共通して上がってくる。特に中学年では、どのように書かれているのかという論理構造を読むことが大切になると考える。
そこで、本単元における目標を以下のように設定した。
書かれている内容を段落ごとに要点を押さえながら正しく読み取ることができる。
  読み取ったことを「書くこと」に生かすことができる。
  読み取ったことを「話すこと・聞くこと」に生かすことができる。
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