第5学年 国語科学習指導案
1,単元名 「想像作文を書こう」(「ベンチの一日」大阪書籍5年下)
2,指導の立場
 物語文の学習で「登場人物になって日記を書こう」「つぶやきを書こう」といった活動を仕組むと、子どもたちの筆はスムーズに進むことが多い。人物の心の動きを素直に表現し、友達の文章に対して共感したり、よさを見つけたりすることも比較的容易である。これは、「書くこと」(発信)の前段階に「読むこと」(受信)が行われていることが大きな要因であると思われる。読むことを通して、人物に同化し、人物の視点を獲得することが、思いを創る上でも表現していく上でも、大切な過程になっているのである。また、友達同士がそれぞれに共通した人物の視点を獲得し、その上で表現しているために、互いの評価もしやすくなってくるのである。しかし、人物の視点を用いた表現も、場面ごとに書く場合がほとんどであり、読み手の存在を意識することも少ない。そのために、文章構成の工夫や説明・描写の使い分け、話の展開までを視野に入れた表現の体験は十分ではない。
 本単元は、公園の様子を描いた4枚の絵をもとに、物語を書いていく学習である。絵の中心にはベンチが一つあり、朝から夜までの時間の経過にしたがって公園の風景は変化していく。その様子が4枚の絵に描かれている。本単元では、そのベンチの視点から物語を書いていく。まず、4枚の絵をもとにお話を想像し、想像したことをベンチの視点から書いていくことになるのである。そこでは、自分の聴覚や視覚を物語の中で駆使し、擬音語や擬態語あるいは会話文の使用、風景の描写と心情の描写を随時使い分けるなどの表現技法も必要になってくるであろう。以上のことから、本単元では、4枚の絵から豊富な情報を受信すること、物語を作るためにベンチの視点を獲得すること、さらには、よりよい表現を求めて話を展開させたり技法を工夫したりすること等をポイントにおく必要があるといえる。
 そこで、本単元では以下のことに留意したい。
4枚の絵をもとに、聞こえてくる音や季節・気温、あるいは人物の性格等について想像し、紹介し合う場を設けることで、絵から得られる情報を増やしていくきっかけにしたい。
リレー物語では、接続詞や擬音語・擬態語、会話文等の表現技法の使い方に着目して、できあがった作文のよさを評価し、各自が書く想像作文に活用できるようにしていきたい。
友達の書いた物語の後に続けて物語を書き足し、また次の友達が書き足していくというリレー物語を書く活動を取り入れることで、話を展開させることや、人の表現に触れてそれを生かして書くことを体験し、自分の作品作りに生かせるようにしたい。
3,目 標
(1) 絵を見て想像したことを、絵の中の物や人になって表現することができるようにする。
(2) 一つの絵から得た情報を積極的に話したり、友達の想像したことを聞いて自分の表現に生かしたりすることができるようにする。
4,学習計画及び評価計画(総時数 約5時間) ・印は「評価規準」*印は「評価方法」
第一次
第二次
第三次




想像物語を作るという目標を確認し、絵を見て想像したことを紹介し合う。
(1時間)
グループでリレー作文を書き、おもしろいストーリー展開や、表現技法のよさを振り返る。
(2時間)
リレー作文に続けたり、新しく作ったりして、自分の想像作文を書く。

(2時間)







絵を見て分かったことや、想像できることを(進んで)話したり、書いたりしようとしている。
グループ内での話し合いの様子から
ワークシートへの書き込みの様子から
グループでのリレー作文に(進んで関わり)、話をつないでいこうとしている。
リレー作文を書く様子から
リレー作文をふり返り、おもしろいところや参考になる表現方法を見つけようとしている。
リレー作文を読み返したときのワークシート
自分の想像したことを元にして、(表現を工夫したりストーリー展開を工夫したりして)想像作文を書こうとする。
書き上がった作文から




絵を元にした話し合いで、想像したことや分かったことをグループ内で(積極的に)話したり、他者の考えを受け入れたりする。
話し合いの記録から
グループで書いたリレー作文を読み、おもしろいところやいい表現について、話し合う。
作文を読んでの感想の話し合い。
(特に設定しない)

(特に設定しない)
友達の作った話に続けて、(話を展開させたり表現を工夫し たりして)リレー作文を書く。
リレー作文を書く様子
リレー作文を読み返して、取り入れたい表現を見つける。
絵から想像できることを元に、自分の想像物語を書く。
完成作品
第5学年 国語科学習指導案
本時案
関連リンク ヒントカード
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