実践1は、野外へ出かけ、実際に昆虫を探し観察することで、昆虫がどんなところに住んでいるか体験を通して感じ取れるようにした実践である。直接体験をすることで、自然の事物・現象(この単元の場合は、昆虫であるが)により深く関われるようにしたものである。この実践をしてみて、自然と十分関わった遊びや生活をしている児童が案外少ないことに驚かされた。しかし、意識的な活動をさせれば、子どもたちは、自然と楽しく積極的に関わっていくことも感じた。直接体験を、意図的に授業の中に取り入れていくことの大切さを感じた実践であった。
実践2は、直接その場での評価に結びつくものではないが、長いスパンで見たときに、子どもたちの昆虫に対する興味・関心が高まっていってくれたら、という期待をこめた学習である。子どもの中には、世話をしている様子をときどき報告してくれる子もいる。それを取り上げみんなに知らせることで、子どもたちの意識の継続を図っている。
子どもたちは、「見たい」「聞きたい」「さわりたい」「やってみたい」という思いを持っていることを強く感じた。しかし、普段の生活の中では、そういうチャンスは少ないようである。直接体験を可能な限り授業の中に取り入れながら、学習を展開していくことの必要性を考えさせられる単元であった。
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