実践を終えて

 この単元を通して、子どもの発想や考え方を生かす学習の手だては、他にいろいろ考えられるだろう。この実践例では取り上げなかったが、最初の導入では、「星はどんな形してるのか」を尋ねた。子どもたちは、それこそ豊かなイメージをもつ反面、漫画などでつくられたイメージをもつ子どもも多く、星の輝きを強調したような形をイメージする子どもも多かった。しかし、考えてみると、「いやそうではなく、星は丸い形をした球なのだよ」と答えがちな大人の固定したイメージこそ問題なのかも知れない。
 星座は星と星を目に見えない線で結んでイメージするのだが、子どもたちは結構星のつながりから生まれる図形をなるほどという感覚で受け止め、楽しく絵をかいていた。神話の世界にある独特の見慣れない形は、説明してやらないと理解できないのは当然だが、こうした子どもの柔軟な発想と同じような感覚が、星座を生んだ古代の人々の中にもあったのではないかとも感じる。
 星が輝いている写真を拡大したものを数枚見せると、子どもたちは思わず「すごい。」「きれい。」と感動の声をあげる。この感動を生かして学習を進めていけたらと思う。ここで学んだ星に関する知識や観測の仕方を生かして、天体への関心をもつ子どもが増えてくれることを願っている。
 

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