授業の実際1:
化石のレプリカを作り、化石はどんなところで見られるのか考えよう

 理科室に入ったすぐの場所に、アンモナイトの化石と魚の化石が展示してある。理科室に来た子どもたちは、よくそれを眺めては、「先生、これ何ですか。」「どこにあったんですか。」などと問いかけてくる。6年生も同様である。この様子を見ていると、子どもたちが、化石を不思議なものとして、強い関心を示していることが分かる。そこで、「大地のつくり」の学習の導入として、化石を取り上げることにした。
 まず、アンモナイト、三葉虫、貝、魚、鮫の歯、植物の葉、木などの化石標本を手にとって、ゆっくりと見るようにした。子どもたちは、ひとつひとつ眺めては、「これ何だろう。」「どうやってできたんだろう。」と、大変興味をもった。アンモナイトと三葉虫については、簡単な資料を配り、理解を図った。
 その後、子どもたちに、「化石のレプリカを作ってみよう!」と投げかけた。子どもたちは、大喜びであった。
次の授業で、さっそく化石のレプリカ作りに挑戦した。
 シリコンとコーキングガン(左上写真)を使って、化石にシリコンを塗りつけ、右上
の写真のような型枠を準備しておく。

(注)化石に石けん水などの剥離剤を塗った後、シリコンを塗りつけるようにする。
 型枠に、紙粘土を押しつけ、
型を取る。
 今回は、アンモナイト、三葉
虫、鮫の歯、貝の化石のレプリ
カを作った。
 枠からはずすと、このような
型ができる。うまくできなかっ
たら、紙粘土を練って、もう一
度型枠に押しつければよい。
 型ができると、子どもたちか
ら歓声が上がった。
 色を付けやすくするため、ド
ライヤーを使って、軽く乾燥さ
せる。
 色を塗って、化石らしくする
子どもたちは、自分だけのレ
プリカができるという期待で、
集中して取り組んだ。
 作業をしながら、化石につい
ての疑問を投げかけてくる子も
いた。その後、1日ほど乾燥さ
せる。
出来上がったアンモナイトの化石のレプリカ
 子どもたちは、熱心に取り組んだ。
 作る途中、「先生、本物の化石ってどんなところにあるのですか?」とか「化石って、どうやってできるんですか?」など、質問してくる子どももたくさんいた。
 出来上がったレプリカをみんなで鑑賞した後、「化石について、不思議に思ったことを書いてください。」と投げかけた。

 (子どもたちの主な疑問)
 ○ 本物の化石ってどこにあるのか。
 ○ なぜ、化石ができるのか。
 ○ どうやったら見つけられるのか。
 ○ 越ヶ浜にも、化石はあるのか。

 子どもたちは、「化石」という言葉は知っているが、具体的なことについては、十分なイメージをもっていないことが分かった。
 そこで、次のような写真を見せて、「貝の化石って、こんな場所で見つけることができるんだよ。」と地層に対する意識付けを図り、第一次へとつなげた。
自然事象への関心・意欲・態度
進んで化石のレプリカを作り、化石が見られる場所やでき方に関心をもっている。
Aと判断した子の例 Bと判断した子の例 Cと判断した子への指導
○アンモナイトや鮫は、海
 にいる生き物だから、海
 の中で化石になったんだ
 と思う。でも、どうやっ
 て海の中で化石になるん
 だろう。
○本物の化石って、どこに
 あるんだろう。
○他にも、どんな化石があ
 るんだろう。
○恐竜ってどうやって化石
 になったんだろう。
※みんな自分の疑問を書いて
 いたので、Cと判断した子は
 いなかった。
 子どもたちの書いた疑問で学習の中で解決できないものは、まとめの時間に、インターネットを使ったり、図書室で調べたりした。実際に見ることができない恐竜の化石などについても熱心に調べていた。

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