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そこで、「自分だけの敷き詰め模様を作ろう」と投げかける。小さな長方形の方眼用紙を数枚渡し、その中に敷き詰めることのできる図形を描いていくよう告げた。いくつも同じ形を作って敷き詰められるかどうかを確認することは大変であるので、一つだけ作って、それを紙に写し取って確認するように告げた。子どもたちは、ものさしで勝手な図形を描いていくが、なかなか敷き詰めることのできる図形にならない。そんな中、ゲームのテトリスを想像し、正方形をいくつかくっつけて形を作っている児童がいた。また、適当に描いた四角形が敷き詰められたという児童もいた。(三角形や四角形ならどんな形でも敷き詰められる。※敷き詰めることのできる図形)試行錯誤しながら考えている活動にストップをかけ、それらの児童の図形を紹介した。
その後、子どもたちが犬と呼んだ図形をもう一度提示した。「これは四角形でもないし、正方形を組み合わせたわけでもないし。」と悩む児童。「上のとがっているところと下のへこんだところは形が同じ。右の出っ張っているところと左のへこんでいるところも形が同じだ。」と一人の児童が発言すると、他の児童が、「出っ張っているところをもとに戻すと、正方形になる。」と言う。そうかという表情を見せる児童もいたが、浮かぬ表情の児童もいる。出っ張っている部分を切り取り、正方形に戻してみせることで、全員の表情が明るくなった。
その後、それぞれの活動に戻った。自分は犬が好きなので、犬の顔をイメージして作ったという児童。一見、敷き詰められそうだが、出っ張った部分とへこんだ部分の形が合っていない。少しずれているため敷き詰められないことを自分で確認し、ものさしで正確に測って、修正を加えていった。子どもたちは、これまでとは違う発想で、様々な形を作っていた。中には、基となる図形を直線で切り取るのではなく、曲線で切り取る児童も現れた。「今度は絶対敷き詰められるぞ。」と自信満々の顔で、白い紙に写し取って確認する姿が見られた。 |
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このような試行錯誤による活動の中から、三角形や四角形はどんな形でも敷き詰められること、三角形や四角形などの基本図形を変形していけば敷き詰められる図形ができること、基本図形を合成しても敷き詰められる図形ができることを見つけていった。
次の時間には色画用紙を使って敷き詰め模様を完成させることを告げ、本時を終えた。 |
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(3)敷き詰め模様作り |
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本時で考えた型紙をもとに、敷き詰め模様を作っていった。色画用紙は、緑と黄色にし、それらを交互に並べるようにした。そうすることで、一つ一つの図形がはっきり分かるし、とても美しく見える。 |
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できた作品を児童に見せると、「亀のような形が並んでいる。」「家みたいな形が並んでいてきれい。」など、様々な感想が聞かれた。「どのようにして作ったんだろう。」と尋ねると、「長方形から三角形を切り取って、向かい合う辺にくっつけている。」「長方形から半分の円を切り取って、向かい合う辺にくっつけている。」「平行四辺形を二つくっつけている。」と、基本図形の合成や変形であることを見取ることができた。
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ほとんどの児童は、ある形を切り取り、それを対辺にくっつけて敷き詰められる図形を考えていたが、長方形から半円を切り取り、それを隣の辺にくっつけている児童がいた。同じ向きでは並べられないが、並べ方を工夫することで敷き詰めることができる。この作品を見ると、「わあ、並べ方がきれい。」と歓声が起きた。(※児童の作品例) |
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