複式学級の担任になって約10ヶ月が過ぎようとしているが、「落ち着いて全授業がこなせた。」と思った日が一日もない。あわただしさの中で一日があっという間に過ぎてしまっている日々の繰り返しである。先日研修でお会いした先生の中に複式学級は楽しいとおっしゃる先生がいたが、私も研修や経験を積んで早くそんな気持ちになりたいと思う。
 この10ヶ月の実践の中で体得したこと、感じたことを記述することによって、これから複式学級を指導される先生方のお役に立てれば光栄である。
表1は、一般的なずらしのパターンである。
 教師のわたりは、学習活動ごとに両学年を行き来する形をとっている。
問題把握の学習活動と課題追究した後の解決(発表)の学習活動に教師が立ち会えるようにずらしを工夫してある。
表1
5年生 6年生
問題把握      適用・発展
課題追求       問題把握
解決・定着       課題追求
適用・発展       解決・定着

表2は、両学年同じ流れの展開例である。
学習内容が多い単元や課題追究にたくさんの活動時間をとりたい授業の場合に有効である。
学習活動をずらすのではなく、両学年ともに問題把握から始めている。
表2
5年生 6年生
問題把握      問題把握
課題追求       課題追求
解決・定着       解決・定着
適用・発展       適用・発展

表3は、片方の学年には最初に指示を与えるのみで、その後は直接指導を行わない展開例である。
教師が児童とともに操作活動を行う場合や細かな指示を出しながら授業を進めなければならない場合に実施するとよい。
片方の学年が課題追究に時間を要する場合や評価テスト(同じ教科にかかわらず)を行っている場合などに実施できる。
表3
5年生 6年生
問題把握      課題設定
課題追求       課題追求
解決・定着      
適用・発展      

表4は、両学年の指導に軽重をつけた展開例である。
複式指導を始めた当初から1単位時間を均等に分けて両学年の指導にあたらなければならないと考えていたが、先進校の先生から学
習内容によっては直接指導に軽重をつけるのも有効だと教わりその後実施するようになった。
表4
5年生 6年生
問題把握      適用・発展
課題追求       問題把握
解決・定着       課題追求
適用・発展       解決・定着

表5は、教師が両学年を行ったり来たりする展開例である。
児童にとって本時の学習の流れが明確に理解できている場合や学習ガイドの誘導で授業が展開できる場合に実施できる。
表5
5年生 6年生
問題把握      問題把握
課題追求       課題追求
解決・定着       解決・定着
適用・発展       適用・発展
私が実践してきた展開例をいくつか紹介したが、実際の指導では表5のように両学年を行ったり来たりして指導していることが多い。
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