1.はじめに

 複式授業においてわかる授業を展開するためには、子ども一人ひとりが、互いのよさに目を向け、そのよさを認め合おうとする意識や態度を育てることが大切であると考えます。
 本事例は、国語科で異学年に同じ課題を設定することにより、子ども自身が意欲的・積極的に他学年との交流の場をもち、理解力を高めていくのではないかと考えた実践例です。

 2.単元の目標

両学年共通目標
○  「だれが、だれにやさしくしたか」を人物のしたことを手がかりにして、場面ごとの想像を広げながら読み取ることができる。
○ 言葉を手がかりに、やさしいと思ったわけをペアの相手に分かるように話したり、うなずきながら聞くことができる。
1 年
○  「だれが、なにをしたのか」に気をつけながら、読むことができる。
2 年
○  場面の様子を考えながら順序をおさえて読み取ることができる。
 
 3.単元指導計画(全13時間) −同単元同課題異教材による学習−

第1次(3時間)
○  範読を聞き初発の感想を書く。
○  音読練習をし、話のおおまかな流れをつかむ。
○  「やさしさみつけ」の学習計画を立てる。
     
第2次 (6時間)
○  各場面のやさしさを見つける。 本時 4/6
 
第3次(1時間)
○  お話の中のやさしさをまとめる。
 
第4次(3時間)
○  やさしさの表れている本を選んで、やさしさをまとめる。 
○  やさしさの表れている本を紹介する。

 4.授業の実際
(1)  本時学習の流れ 第2次 4/6
(2)  同じ学習課題で取り組むよさ
<視点>
 「やさしさみつけ」を共通課題にすることにより、読み取りの過程で伝え合う活動のめあてが明確になり、豊かな読みが展開されるのではないでしょうか。
<考察>
 学習課題を「やさしさみつけ」として追求することによりめあてが明確になり、読み取りの苦手な児童も学習の仕方が分かり「言葉みつけ」をすることができました。初発の感想から、無理なく「やさしさみつけ」ができました。
<活動例>
* 2年生が1年生にじいさまのやさしさを教えています。(教科書の全文写しを利用)
 じいさまが、かさこが一つたりないので、自分のかぶっていた手ぬぐいを、さいごのおじぞうさまにかぶせてあげました。そうして、「やっと」安心することができました。だから。おじいさんが、とてもやさしいと思いました。(2年生)
(3)  異学年で交流のできるよさ
<視点> 
 異学年とのペア学習の場を設定することにより、学習内容の異なる相手に自分の考えを理解してもらおうと意欲的に学習を進めることができるのではないかと考えます。その時、論理的に説明しようとすれば、自分の気持ちを様々な言葉で表現しようと工夫します。その結果、相手に豊かな思いを伝えることができるのではないでしょうか。 
<考察> 
 物語から読み取った「やさしさ」を伝え合うという異学年とのペア学習はどの児童も相手意識を持って交流ができ大変効果的でした。3つの話し言葉のレベルが見られましたが、意欲的に伝え合うという活動ができました。�(犬鮑�拠としてやさしさを見つけること、さらに�⊆�分の言葉を付け加えてやさしさを説明すること、そのことを�C擦じ斥佞琶�かりやすく説明できることです。 
<活動例>
*手紙を読みながらやさしさみつけを異学年のペアに伝えています。
*交流ワークシート・・異学年のペアの友だちに書いた手紙
   各学年がやさしさを見つけ、ペアの相手に伝えます。  
    
*1年生が2年生に、お尋ねしています。
 本当に、じいさまはやさしいね。

 ○○君、ほかにもやさしさを見つけましたか?
   

    
    
   

 5.おわりに

 異学年が共に学ぶということを複式学級の利点としてとらえるには、単式学級以上に、子ども一人ひとりが、しっかりと自分の考えを持ち、積極的に伝え合い、お互いの考えを認め合うことが大切です。

 まず、一人学習では自分の考えを見つめます。一つの教室で学ぶ二つの学年の子どもたちは、常にお互いの学びの様子を意識しています。下の学年の子どもたちは、来年の自分に思いをよせ上学年の学習に興味深々です。また、上学年も、昨年の自分たちの学びを振り返り、下学年の学習に考えを投げかけています。その学習課題を同じにすることにより、今回の試みである直接的な交流を意図的に仕組むことができ、異学年の学級の主体性や協同性を大いに育むことができました。
 また、教師自身もわたりの段差を低くすることができ、両学年の学習に深く関わることができました。

 複式授業の満足を引き出すポイントは、子どもが分かる、教師も分かることです。
 
 


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