実践を終えて

 授業の実際1は、発展的な学習とはいえないかもしれないが、曇りで太陽がほとんど姿を見せないという、気象条件が十分でない中での学習であった。そんな条件の中で、子ども達の意識は、「自分で作ったソーラーカーを走らせよう」「モーターを動かそう」ということに集中しており、目をこらして空をながめたり、太陽に少しでも近づけようと手を高くかざしたり、太陽に直角になるように光電池の向きを変えたり、子どもなりに必死で工夫していた。これが、晴天で十分な光があったら、ソーラーカーが走ることが当たり前で、いろいろな工夫はしなかったかもしれない。授業当日の急な出来事ではあったが、不利な条件が有効に働いた学習になったと思う。
 授業の実際2は、ゲストティーチャーを招いての学習であった。数人で手をつないで電卓をつけたり、身近な材料を使って電池を作ったりした。また、電気が電気自動車などにも利用されていることを試乗して初めて知った。これらの活動や体験を通して、子どもにとっては、目に見えない電気の存在を身近なものに感じることができたように思う。これを機会に、電気という分かりにくいものを意識的に見ていってくれることを期待したい。
 学習したことと身近な事象とを関連づける発展的な学習を工夫していくことで、子どもたちは身近な事象に興味・関心をもつようになり、それが、応用、発展的な力につながっていくのではないだろうか。

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